「憲法を法律に適応させる」とは。

現在の憲法をいかにこの法案に適応させていけばいいのかという議論を踏まえまして閣議決定を行ったわけでございます」

 これは、中谷防衛大臣の6月4日の国会での発言とのこと。
 私がベッドの上で静かにしている間に、信じられないことが起こっているのですね。
 明日の自由を守る若手弁護士の会は、早速、当たり前ですが、「言うまでもないことですが、日本国内での法規の強さの序列としては、憲法、法律、政令の順番になっています。
そして、憲法に反する『法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為』は無効なわけですよね(憲法98条)。 法律で憲法を変えようなどということはあり得ないわけですが、安保関連法案で憲法を実質的に変えてしまおうという本音が透けて見えたということですよね。」と、押さえます。
 さらに、「大事なことなので、もう一度繰り返しますが、憲法に反する「法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為」は無効です。そして、国務大臣には憲法尊重擁護義務があるわけですよ(憲法99条)。『行政府の裁量』などというものは、法律以下の存在で、国務に関するその他の行為として、憲法に反することはできないわけですよ。」と。

 うーん。こんな輩がひねり出してきた集団的自衛権行使なのか。

 以下、明日の自由を守る若手弁護士の会のブログの引用。







「憲法を法律に適応させる」?? 中谷防衛大臣が憲政史上最悪の発言をした件


菅官房長官が、「違憲ではないという著名な憲法学者もたくさんいる」とおっしゃった後、なかなかそのような著名な憲法学者がたくさん発見されず、残念に思っているところです。
ふう。。。
ツチノコを探すよりも大変そうです。

ところで、そんな学者の数以上に大変問題な発言を中谷防衛大臣がしていました。

6月5日、辻元議員が、6月4日の憲法審査会で三人の参考人が安保関連法案について全員違憲だと述べたことを受けて、次のように質問しました。

辻元議員「私は、昨日の憲法審査会を受けて、3名違憲と言われたことを受けて、本法案は一回政府は撤回された方がいいと思いますが、いかがですか?」

うん、辻元議員、良いこと言います。
だって、違憲だって、著名な憲法学者がそろって言ってますもんね。

それに対する、中谷防衛大臣のお返事。

中谷防衛大臣「政府としても様々な角度からご意見を頂戴をし、また現実に安保法制懇談会という非常に著名な見識を持った方々に参画をしていただいてご意見をいただきました。
その後は、政府としては国民の命と平和な暮らしを守っていくために、憲法上、安全保障法制はどうあるべきか。これは非常に国の安全にとっては重要なことでありますので、与党で、こういった観点でご議論をいただき、そして現在の憲法をいかにこの法案に適応させていけばいいのかという議論を踏まえまして閣議決定を行ったわけでございますので、多くの識者の意見を聞きながら、真剣に検討して決定したものであります。」

ふーん。。。ん?!

回りくどいですし、あまりにも普通のことのように話しているので、もう一度、抜き出してみましょう。

「現在の憲法をいかにこの法案に適応させていけばいいのかという議論を踏まえまして閣議決定を行ったわけでございます」

憲法を法律に適応させる。。。?!

言うまでもないことですが、日本国内での法規の強さの序列としては、憲法、法律、政令の順番になっています。
そして、憲法に反する「法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為」は無効なわけですよね(憲法98条)。
法律で憲法を変えようなどということはあり得ないわけですが、安保関連法案で憲法を実質的に変えてしまおうという本音が透けて見えたということですよね。

また、中谷防衛大臣はこうも言っています。
「昨年の閣議決定は、これまでの憲法9条をめぐる議論との整合性を考慮したもので
行政府としての、憲法解釈の裁量の範囲内であると考えて、これをもって憲法違反にはならないと考えるに至っている。」

えーと、憲法審査会での3人の「著名な憲法学者」は、3人とも違憲だと言ったわけですが、「違憲な憲法解釈をすることが行政府としての憲法解釈の範囲内だ」と考えているということですよね。
大事なことなので、もう一度繰り返しますが、憲法に反する「法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為」は無効です。そして、国務大臣には憲法尊重擁護義務があるわけですよ(憲法99条)。
「行政府の裁量」などというものは、法律以下の存在で、国務に関するその他の行為として、憲法に反することはできないわけですよ。

憲法は、権力者が暴走してしまわないように権力者を縛るもの。なのに、縛られている側が自主的にその縛りを緩めてしまえという発想なのです。
これでは、憲法がある意味も、国の根本となる価値観を定めたものであるために改正しづらいものとされている意味も、それでも必要になった場合のために憲法改正ができることとされている意味もなくなってしまいます。

何を言っちゃってるんでしょうかね。
自分の言ってること分かってますかね?
とんでもないことを言ってますよ。
著名な憲法学者が違憲だと言っている安保関連法案も、行政府の裁量の範囲内だと言っちゃってますよ。
中身を置いといたとしても、憲法と法律や行政裁量の関係を全く理解していないですよ。

これは、日本の憲政史上最悪の発言と言っていいでしょう。
中谷防衛大臣には、国務大臣としての資質があるのかと思ってしまいます。
皆さん、こんな人たちに憲法を改正させていいんでしょうか?

ところで、この中谷防衛大臣の発言の中で、安保法制懇という安倍首相個人の私的懇談会のメンバーが「違憲ではないという著名なたくさんの憲法学者」だと言いたいのかなあという部分がありましたよね。
ただ、そのメンバーを見てみたら、14人中憲法学者と言えるのは一人だけで、それは、昨日、あすわかが合憲にカウントした西修駒澤大学名誉教授なんですよね。
残りは、政治学者8人、元官僚・外交官3人、元自衛官1人、実業家1人という構成です。
菅官房長官からのお返事がほしいところですね。


by asyagi-df-2014 | 2015-06-15 11:32 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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