米軍再編-日米ガイドラインへの反対、抗議

 日米ガイドライン(日米病防衛協力のための指針)の改定についての反対の考え方については、すでに書き込んできたが、日弁連の会長反対声明と戦争をさせない1000人委員会の抗議声明を基に、再度押さえてみる。

                            
(1)ガイドラインの目的
①新ガイドラインは、平時から緊急事態まであらゆる状況において、「切れ目のない」緊密な日米共同の軍事的協力を具体的に合意し、宇宙及びサイバー空間にも及んで、アジア・太平洋地域及びこれを超えた全世界に及ぶ日米同盟を形成しようとするものであり、日本及び極東の平和と安全の維持に寄与することを主眼としてきた日米同盟の本質を根本的に転換するものである。
②「日米同盟のグローバルな性質」を「強調する」とされ、世界中での日米の軍事協力が約束された。「ガイドライン」で約束された協力事項である「後方支援」「船舶検査」「機雷掃海」「駆け付け警護」「米艦護衛」などは国際社会の常識では「武力行使」と見なされることを考えると、日本は「ガイドライン」で世界中での自衛隊の武力行使をアメリカと約束したことになる。(1000人委員会)
(2)どういうことが可能になるのか
①新ガイドラインは、米国又は第三国に対する武力攻撃に対処するため、日米両国が当該武力攻撃への対処行動をとっている他国とも協力することを取り決め、集団的自衛権に関しては、自衛隊が、機雷掃海、艦船防護のための護衛作戦、敵に支援を行う船舶活動の阻止及び後方支援を行うこと等を具体的に定めている。
②これまでの「周辺事態」にとどまらず「日本の平和と安全に重要な影響を与える事態」への対応、及びアジア・太平洋地域を越えたグローバルな地域の平和及び安全のための対応として、自衛隊と米軍が、実行可能な限り最大限協力するとし、後方支援を行うこと等を定めている。
(3)何が問題なのか
①国の安全保障・防衛政策は、日本国憲法の前文と第9条が掲げる徹底した恒久平和主義の下になければならない。集団的自衛権の行使はもちろん、世界中に自衛隊を派遣して米軍等の戦争を後方支援し、戦争時においても機雷除去等の処理をして、自衛隊員を戦闘行為の危険に晒し、武力の行使への道を開くことは、日米安全保障条約の範囲すらも超えて、明らかに恒久平和主義に違反するものである。また、そのような武力の行使等について、憲法改正手続を潜脱して、政府間で合意することは、立憲主義の根本理念を踏みにじるものである。
②新ガイドラインは、国民にはほとんど情報を知らせることのないまま、政府間で合意し、これから国会審議を始めようとする安全保障法制立法を先取りし、既成事実化しようとするものである。これは、手続的にも国民主権と民主主義に著しく背馳するものである。
③武力の行使が平和を作り出せないことは、第1次世界大戦、第2次世界大戦で甚大な犠牲者を出した末に人類が得た貴重な教訓であった。最近でもアフガン戦争やイラク戦争では、多くの子ども、女性、老人がアメリカ軍の武力行使で犠牲となった。こうした悲惨な状況を生み出さないため、国連憲章では「武力不行使」(2条4項)が原則とされ、日本国憲法でも徹底した「平和主義」が採用されている。ところが安倍政権は、こうした悲惨な歴史及び教訓の意義を省みることなく「ガイドライン」改定に合意した。(1000人委員会)
④今までは平和憲法のもとで海外での武力行使に自衛隊が関わることはほとんどなかったが、「ガイドライン」で挙げられた事項を実施するようになれば、自衛隊が海外での戦闘に関与する可能性が高くなる。また、自衛隊員自身も海外の戦闘で生命を失う可能性が高くなる。「国民の生命と安全を守るため」などと言って安倍政権はこうした軍事中心政治をすすめるが、豊かな自然に囲まれた辺野古への米軍の新基地建設に反対する市民に対して海上保安官が行なっている、「法治国家」ではありえない野蛮な暴力行為の原因が安倍政権であることを考えれば、「国民の生命と安全を守る」という安倍政権の主張がいかに欺瞞に満ちたものであるかは明らかだ。(1000人委員会)
⑤そもそも「国の最高法規」である憲法の平和主義を放棄し、海外での武力行使が可能になる国に日本を変えるのであれば、主権者である国民、そして主権者である国民から選挙で選ばれた議員で構成される国会で十分な議論をすべきだろう。ところが安倍政権は国会での十分な議論もなしに「ガイドライン」で合意し、アメリカと世界中での共同武力行使を約束した。「国民主権」「民主主義」を無視する行為と言わざるを得ない。(1000人委員会)
(4)主張(結論))
①「これまでの日本の安全保障政策を根本的に転換するような見直しをすることは、恒久平和主義及び立憲主義に違反し、国民主権原理をないがしろにするものであり、行うべきでない」
②「国民主権」「民主主義」を無視し、世界中での武力行使、虐殺に加担する可能性に道を開く「ガイドライン」に強く反対する。(1000人委員会)

 以下、日弁連会長声明及び1000人委員会抗議声明を引用する。







日米防衛協力のための指針の改定合意に抗議し、その国内法制化立法に反対する会長声明


 日米安全保障協議委員会は、本年4月27日、新たな日米防衛協力のための指針(以下「新ガイドライン」という。)に合意した。この新ガイドラインは、集団的自衛権の行使容認を定めた2014年7月1日の閣議決定をうけて、1997年のガイドラインを改定したものである。

 新ガイドラインは、平時から緊急事態まであらゆる状況において、「切れ目のない」緊密な日米共同の軍事的協力を具体的に合意し、宇宙及びサイバー空間にも及んで、アジア・太平洋地域及びこれを超えた全世界に及ぶ日米同盟を形成しようとするものであり、日本及び極東の平和と安全の維持に寄与することを主眼としてきた日米同盟の本質を根本的に転換するものである。

 すなわち、新ガイドラインは、米国又は第三国に対する武力攻撃に対処するため、日米両国が当該武力攻撃への対処行動をとっている他国とも協力することを取り決め、集団的自衛権に関しては、自衛隊が、機雷掃海、艦船防護のための護衛作戦、敵に支援を行う船舶活動の阻止及び後方支援を行うこと等を具体的に定めている。また、これまでの「周辺事態」にとどまらず「日本の平和と安全に重要な影響を与える事態」への対応、及びアジア・太平洋地域を越えたグローバルな地域の平和及び安全のための対応として、自衛隊と米軍が、実行可能な限り最大限協力するとし、後方支援を行うこと等を定めている。

 しかし、国の安全保障・防衛政策は、日本国憲法の前文と第9条が掲げる徹底した恒久平和主義の下になければならない。集団的自衛権の行使はもちろん、世界中に自衛隊を派遣して米軍等の戦争を後方支援し、戦争時においても機雷除去等の処理をして、自衛隊員を戦闘行為の危険に晒し、武力の行使への道を開くことは、日米安全保障条約の範囲すらも超えて、明らかに恒久平和主義に違反するものである。また、そのような武力の行使等について、憲法改正手続を潜脱して、政府間で合意することは、立憲主義の根本理念を踏みにじるものである。

 しかも、新ガイドラインは、国民にはほとんど情報を知らせることのないまま、政府間で合意し、これから国会審議を始めようとする安全保障法制立法を先取りし、既成事実化しようとするものである。これは、手続的にも国民主権と民主主義に著しく背馳するものである。

 当連合会は、本年2月19日に「『日米防衛協力のための指針の見直しに関する中間報告』及びこれに基づく見直しに対する意見書」を発表し、この中間報告に基づいて「これまでの日本の安全保障政策を根本的に転換するような見直しをすることは、恒久平和主義及び立憲主義に違反し、国民主権原理をないがしろにするものであり、行うべきでない」とした。新ガイドラインは、中間報告の具体化として、この批判がそのまま妥当する。

 当連合会は、日米防衛協力のための指針の改定合意に抗議し、新ガイドライン及びその国内法制化立法としての安全保障法制改定が、日本国憲法に違反し、我が国の平和国家としての根幹を揺るがすものとして、これに強く反対するものである。

2015年(平成27年)4月28日
                       日本弁護士連合会



日米ガイドライン再改定に抗議する
2015年5月1日
戦争をさせない1000人委員会


2015年4月27日にニューヨークで行われた「外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)」で、日米の軍事的な役割分担や任務などを定めた「日米防衛協力のための指針」(以下「ガイドライン」)の再改定が合意された。

「ガイドライン」では、「日米同盟のグローバルな性質」を「強調する」とされ、世界中での日米の軍事協力が約束された。「ガイドライン」で約束された協力事項である「後方支援」「船舶検査」「機雷掃海」「駆け付け警護」「米艦護衛」などは国際社会の常識では「武力行使」と見なされることを考えると、日本は「ガイドライン」で世界中での自衛隊の武力行使をアメリカと約束したことになる。

日米の軍事協力に際し、「あらゆる状況に切れ目のない( seamless )形で実効的に対処するため」の機関として、「ガイドライン」では「同盟調整メカニズム( Alliance Coordination Mechanism )」の設置も決められた。その上、「日米両政府は、支援を行うため、中央政府及び地方公共団体の機関が有する権限及び能力並びに民間が有する能力を適切に活用する」とのように、自治体や民間人を戦争に協力させることも安倍政権はアメリカと約束した。このように、世界中での日米共同武力行使を可能にし、国や自治体、国民などを全面的に協力させるのが「ガイドライン」再改定の内容である。

武力の行使が平和を作り出せないことは、第1次世界大戦、第2次世界大戦で甚大な犠牲者を出した末に人類が得た貴重な教訓であった。最近でもアフガン戦争やイラク戦争では、多くの子ども、女性、老人がアメリカ軍の武力行使で犠牲となった。こうした悲惨な状況を生み出さないため、国連憲章では「武力不行使」(2条4項)が原則とされ、日本国憲法でも徹底した「平和主義」が採用されている。ところが安倍政権は、こうした悲惨な歴史及び教訓の意義を省みることなく「ガイドライン」改定に合意した。

今までは平和憲法のもとで海外での武力行使に自衛隊が関わることはほとんどなかったが、「ガイドライン」で挙げられた事項を実施するようになれば、自衛隊が海外での戦闘に関与する可能性が高くなる。また、自衛隊員自身も海外の戦闘で生命を失う可能性が高くなる。「国民の生命と安全を守るため」などと言って安倍政権はこうした軍事中心政治をすすめるが、豊かな自然に囲まれた辺野古への米軍の新基地建設に反対する市民に対して海上保安官が行なっている、「法治国家」ではありえない野蛮な暴力行為の原因が安倍政権であることを考えれば、「国民の生命と安全を守る」という安倍政権の主張がいかに欺瞞に満ちたものであるかは明らかだ。

そして、そもそも「国の最高法規」である憲法の平和主義を放棄し、海外での武力行使が可能になる国に日本を変えるのであれば、主権者である国民、そして主権者である国民から選挙で選ばれた議員で構成される国会で十分な議論をすべきだろう。ところが安倍政権は国会での十分な議論もなしに「ガイドライン」で合意し、アメリカと世界中での共同武力行使を約束した。「国民主権」「民主主義」を無視する行為と言わざるを得ない。

私たち「戦争をさせない1000人委員会」は、「国民主権」「民主主義」を無視し、世界中での武力行使、虐殺に加担する可能性に道を開く「ガイドライン」に強く反対する。


by asyagi-df-2014 | 2015-05-07 06:05 | 米軍再編 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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