安全保障法制をめぐる与党協議は20日、自衛隊の海外活動を大幅に広げる方向で一致

 朝日新聞は、2015年3月21日、安保保障法制を巡る状況について、「安全保障法制をめぐる与党協議は20日、自衛隊の海外活動を大幅に広げる方向で一致した。安保政策を大きく転換した背景には、軍事的な台頭が著しい中国の脅威に対抗するべく、米側の期待に応えることで同盟の深化を進めたいという安倍政権の思惑がある。」と、報じた。
 また、この安全保障法制のねらいを、「首相の念頭にあるのは中国の存在だ。世界第2位の経済力を持ち、軍事力を増強させる中国にいかに対応するのか――。安倍政権の一連の安保政策はこの点に集約される。」と指摘した。

 「軍事力を増強させる中国にいかに対応するのか」とは、武力に対して武力でということであり、日本国憲法は認めていない。

 以下、朝日新聞の引用。






朝日新聞-安保政策、根底から転換 自衛隊の海外活動拡大へ-2015年3月21日

 安全保障法制をめぐる与党協議は20日、自衛隊の海外活動を大幅に広げる方向で一致した。安保政策を大きく転換した背景には、軍事的な台頭が著しい中国の脅威に対抗するべく、米側の期待に応えることで同盟の深化を進めたいという安倍政権の思惑がある。ただ、日米双方の姿勢には微妙なズレもうかがえる。

 「安全保障環境の変化をしっかり見据え、領土、領海、領空を断固として守っていく信念のもと、その責任を果たしていきたい」

 20日の参院予算委員会。今回の安保法制見直しの狙いを問われた安倍晋三首相はこう力を込めた。

 首相の念頭にあるのは中国の存在だ。世界第2位の経済力を持ち、軍事力を増強させる中国にいかに対応するのか――。安倍政権の一連の安保政策はこの点に集約される。

 日本の対応はこれまで、米国の求めに応じてその都度、自衛隊の活動拡大を繰り返してきた。冷戦時代には旧ソ連への対策を重視。朝鮮半島情勢に危機感を持った米側から、日本に1千項目を超える具体的な自衛隊の支援内容を要求され、これに応えて1997年に日米防衛協力のための指針(ガイドライン)を改定。さらに、米軍を支援する周辺事態法を作った。

 2001年の米国同時多発テロを契機に、インド洋やイラクでの軍事協力を求められた。自衛隊法や周辺事態法の枠組みでは派遣要件などが合わず、派遣期間や派遣場所、活動内容を限定した特別措置法をつくり、自衛隊の海外派遣の枠組みを広げてきた。

 だが、今回の安保法制見直しや18年ぶりとなるガイドラインの改定は、日本側から提案した。

 12年9月の尖閣諸島の国有化以来、中国公船による領海侵犯は後を絶たない。この状況を転換するには米国との「同盟深化」を前面に掲げ、米軍による抑止力の向上につなげるしかないとの思惑がある。

 政府は与党協議で、武力攻撃に至らない「グレーゾーン事態」の新たな対応として米艦を防護できるとの事例を盛り込んだ。平時の警戒監視活動から有事に至るまで、切れ目なく米軍を支援できる態勢をみせることで、米軍の協力を引き出しつつ、中国を牽制(けんせい)することを狙っている。

 現行の日米ガイドラインをもとにした周辺事態法を抜本的に改正し、事実上の地理的制約となる「周辺事態」という概念を削除。新たな「重要影響事態」と政府が認定すれば、米軍や米軍以外の他国軍への後方支援が海外でも可能となる。装備や態勢は米軍に及ばないものの、自衛隊が少しでも肩代わりを果たすとの狙いが先行している。

 今回の与党合意に沿って法制化されれば、米軍や他国軍への後方支援の範囲は広がり、国連平和維持活動(PKO)などで武器使用基準が緩和される。米軍が中心となる有志連合による人道復興支援や治安維持活動にも参加が可能となる。

 昨年7月の閣議決定で憲法解釈を変更した集団的自衛権の行使容認も、今回の基本方針に反映された。「我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される」とした「新事態」を導入し、限定的ながら集団的自衛権を行使する枠組みも組み込んだ。

■米は恒久法での後方支援期待

 日米両政府は、安全保障法制の基本方針を受け、ガイドラインの改定に向けた協議を本格化させる。4月末に予定する安倍首相の訪米前の合意を目指す。

 「戦略的目標と基本的価値観を共有する日本が地域と世界で我々を助けることになる。非常に前向きな動きだ」。カーター米国防長官は18日の米下院軍事委員会で指針改定についてこう述べ、自衛隊の役割拡大に強い期待感を示した。

 米国は財政難で軍事費の大幅削減を余儀なくされている。今回の安保法制で、日本が軍事的に米国の役割の一部を肩代わりできるようになると見て大いに歓迎する。特に期待するのが、米軍を後方支援する自衛隊派遣のための新たな恒久法の制定だ。

 恒久法はそのたびごとに法律を作らなくても、後方支援のために自衛隊を海外に派遣できる枠組みだ。そのため米軍は自衛隊の支援を見込んで、世界規模での軍事作戦を立案できる。

 また、日本が集団的自衛権を使って中東・ホルムズ海峡で機雷掃海をすることにも強い期待を寄せる。この問題では、政府と公明党で派遣が可能かどうかで見解が分かれているが、米国は海上自衛隊の技術の高さは欠かせないとみる。

 米国のオバマ政権は、海洋進出を強める中国軍に対抗する「アジア太平洋リバランス(再均衡)」戦略を据えており、そこに日本の関与も当て込んでいる。

 米軍は、この地域への前方展開を進める。米国防総省のシーア次官補は4日、指針改定が「日米同盟協力の転換点となる」と記者団に強調し、新たな指針をリバランス戦略の目玉と位置づけた。

 米海軍第7艦隊のトーマス司令官が今年1月、ロイター通信のインタビューでその具体例に言及。安倍政権が進める安保法制見直しを歓迎し、「将来的に海上自衛隊が南シナ海で活動することは理にかなっている」と語り、日本周辺に限定した海自の哨戒活動を南シナ海にも拡大することに期待を示した。

 ただ、こうした自衛隊の海外派遣拡大への思惑が日米で完全に一致しているわけではない。

 今回の基本方針を踏まえ、安倍政権は日中が対立する尖閣諸島をめぐる対応を想定し、グレーゾーン事態での日米協力の強化を狙う。だが、米国はこれが日中の衝突につながって紛争に巻き込まれることを警戒しており、安倍政権が望むような米軍の軍事的支援がどこまで可能なのか見通せない面もある。

 逆に、米国に期待が広がる集団的自衛権の行使について、日本側は「極めて限定的なもの」とし、「米の期待が膨らみすぎれば、日米同盟にとってはマイナスだ」(政府関係者)との懸念を示す。今後の協議で、支援内容をめぐる日米の思惑の違いが表面化する可能性もある。(石松恒、佐藤武嗣)


by asyagi-df-2014 | 2015-03-21 09:37 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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