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労働問題-雇用安定の要求切実 非正規2000万人「正社員と溝」

総務省は2014年12月26日、労働力調査を発表した。この調査では、11月の非正規労働者数は前年同月比48万人像の2012万人となり、この調査では初めて2千万人を超えることになった。
 このことについて、東京新聞は、「賃金底上げや雇用の安定など、処遇の改善を求める非正規労働者の声は切実だ。」と、伝えるとともに、あわせて、「望んで非正規で働いているわけじゃない。長く働くことはできないのか」と、首都圏に展開する小中学生向けの学習塾の講師、並木創一さん(51)の声を報じている。

 以下、東京新聞の引用。







東京新聞-雇用安定の要求切実 非正規2000万人「正社員と溝」-2014年12月27日


 契約社員や派遣社員などの非正規労働者が、総務省の労働力調査で二千万人を突破した。シニア層や主婦の就業拡大が数字を押し上げる一方で、希望しても正社員になれない「不本意非正規」の割合も依然高い。賃金底上げや雇用の安定など、処遇の改善を求める非正規労働者の声は切実だ。

 「望んで非正規で働いているわけじゃない。長く働くことはできないのか」。首都圏に展開する小中学生向けの学習塾の講師、並木創一さん(51)は訴える。一九八八年から一年の雇用契約を毎年更新してきたが、会社の方針で非正規の講師は五十一歳を機に雇用契約を打ち切られ、雇い止めに。

 労働組合をつくり、雇い止めになった仲間の復職などを求めて会社と交渉中だが、自身の契約も来年二月末で切れる。

 平日の教える時間が夕方から夜に限られる塾講師は非正規が多い。少子化などで受け持つ授業は三割減り、九〇年代後半に約五百二十万円あった年収は約三百七十万円に落ち込んだ。並木さんは「妻と娘の収入がなければ暮らせなかった。子どもに教える点では同じ仕事なのに、正社員の講師との溝を感じる」と憤る。

 十一月の非正規労働者は二千十二万人で、内訳はパートが九百六十七万人、派遣社員が百三十五万人など。非正規労働者は不況が深刻化した九〇年代後半から二〇〇〇年代前半に急増。特に就職氷河期で正社員になれなかった人が低賃金で不安定な派遣やアルバイト生活などから抜け出せず、社会問題となった。

 ことし七~九月期の労働力調査で、非正規で働く男性の約24%が「正規の仕事がないから」を理由に挙げ、二十五~四十四歳ではその比率は約38%に達する。小売りや外食など人手不足が深刻な業界では正社員転換の動きもあるが、全体では正社員の求人倍率は一倍を大きく下回るのが現状だ。

 先の衆院選で雇用が百万人増えたと誇示する安倍政権に対し、野党側は増えたのは非正規だと批判し、争点の一つになった。


by asyagi-df-2014 | 2014-12-27 21:00 | 書くことから-労働 | Comments(0)

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