労働問題-大阪市の労使関係条例に対し、司法が「適用すれば違憲」とする判断を再び

朝日新聞は、2014年2014年11月26日、「大阪市の労使関係条例に対し、司法が「適用すれば違憲」とする判断を再び示した。労組事務所を市庁舎内から退去させたことをめぐる訴訟に続き、市にとっては厳しい判決となった。」と、報じた。

 これまでの橋本氏の手法は、あまりにも一方的で、基本的人権を無視するものであった。脇田滋・龍谷大教授(労働法)の「極めて妥当な判断。労使関係条例は市側が恣意的(しいてき)に判断できる余地が大きすぎる。憲法と衝突する可能性をはらんだ条例であり、判決はその問題点を正面から突いたといえる」とのコメントは的を得たものと言える。
 これからの「不適切な労使関係の改善」は、橋本氏の責任である。

 以下、朝日新聞の引用。






朝日新聞-教研集会判決、市教組側「条例の存在意義ない」-2014年11月26日


 大阪市の労使関係条例に対し、司法が「適用すれば違憲」とする判断を再び示した。労組事務所を市庁舎内から退去させたことをめぐる訴訟に続き、市にとっては厳しい判決となった。市教職員組合は「妥当な判断」と評価する一方、「不適切な労使関係の改善」をめざす市は控訴するとみられ、問題解決への見通しは立たない。

教研集会の使用不許可、大阪市に賠償命じる 大阪地裁
 「教職員の思いを十分に受け止めてくれた」。市教組の稲田幸良(ゆきよし)・執行委員長は大阪地裁の判決後の26日午前11時すぎ、大阪市内で記者会見。市教組主催の教育研究集会の会場に学校を貸さなかった市の処分を違法とした判断を評価した。

 市教組によると、集会は組合員ではない教職員や地域の人も参加でき、子どもたちによりよい教育を行うことを目的とする。市教組は約40年間無料で学校を借りていた。全国各地の日教組系の組合でも、同じように公立学校を借りて開くことも珍しくないという。

 だが、橋下徹市長は2011年12月の就任後、市議会で「組合と市役所の体質はリセットする」と答弁。市と労組との関係を改める策を打ち出す中で12年7月に「労組活動への便宜供与はしない」と定めた市労使関係条例を制定した。

 条例の制定後、市教組は学校を借りられなくなり、12年度以降の集会は府の施設を有料で借りて開催するようになった。この施設には毎回約300人ほど集まる参加者全員を収容できる会議室がないため、市教組の関係者は「全体会を開くことができない」と話す。

 条例をめぐっては、市が庁舎内の労組事務所を組合に使わせないとする処分が違法とされた今年9月の地裁判決も「不当労働行為を適法化するために適用する限り、条文は違憲で無効」と指摘した。会見に同席した原告側代理人の竹下政行弁護士は「条例を今回のように使えば違憲となる。条例の存在意義はない」と述べ、市に対して改正するよう求めた。

 これに対し、市のある幹部は「判決は条例そのものの違法性を認めたわけではなく、見直しは考えていない」と話しており、今後も条例が適用されれば、同様の問題が生じる可能性もある。市の山本晋次教育長は判決後、「判決内容を慎重に精査したうえで、今後の対応を検討したいと考えている」と談話を出した。(川田惇史、坂本泰紀)

■「恣意的判断の余地大きい」

 大阪市の労使関係条例の適用をめぐって再び違憲とした判決を識者はどうみるのか。

 労働問題に詳しい脇田滋・龍谷大教授(労働法)は「極めて妥当な判断。労使関係条例は市側が恣意的(しいてき)に判断できる余地が大きすぎる。憲法と衝突する可能性をはらんだ条例であり、判決はその問題点を正面から突いたといえる」と話す。さらに「教育研究集会は単なる組合活動の域を超えている。教師同士が知恵を出し合い、経験を共有する場であり、高度な公益性がある」とも指摘した。

 市教組に会場を使わせない判断をした校長に対し、判決が「条例に従う義務があるが、条例の上位規範の憲法を尊重・擁護する義務を負う」と言及したことについて、脇田教授は「漫然と条例や首長の指示に従っているだけでは公務員の務めを果たしたことにならない。憲法のもとで働くすべての公務員へのメッセージとなる」と評価。大阪市は条例を抜本的に見直すべきだとの考えを示した。

 早川征一郎・法政大名誉教授(社会政策論)は橋下市政の対応について、「一方的な手法は問題だが、元をたどれば職員の厚遇問題などへの市民の反発が招いた面もある」と言う。そのうえで「労組も市側との交渉内容をオープンにして、市民の理解を得る努力が求められる」と話した。(阪本輝昭)

■橋下市長と職員組合をめぐる主な動き
【2011年】
11月 橋下徹市長が大阪市長に初当選
12月 市交通局職員による勤務中の組合活動が発覚
【2012年】
1月 市が一部の労組事務所に対し、市庁舎内からの立ち退きを通知
2月 選挙活動への労組の関与をめぐり、市が全職員を対象にアンケート
3~4月 事務所の立ち退き要求に対し、労組が市を提訴
7月 市議会で労使関係条例が可決
8月 条例に基づき、市が教育研究集会の会場として小学校を貸さず。市教職員組合が提訴
【2014年】
6月 中央労働委員会がアンケートを不当労働行為(組合活動への支配・介入)と認定
9月 事務所の立ち退き要求をめぐる訴訟で大阪地裁が労組側の訴えを認め、条例の違憲性を指摘


by asyagi-df-2014 | 2014-11-26 17:33 | 書くことから-労働 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
画像一覧