ハンセン病-模擬裁判で熊本県の男性が無実を訴えながら1962年に死刑となった事件で「無罪」判決

熊本日日新聞は、2014年10月20日、「国立ハンセン病療養所などに設けた『特別法廷』で審理された患者の刑事裁判を、現在の裁判員裁判で再び審理すればどうなるか。熊本大法学部の学生による模擬裁判が19日、合志市の菊池恵楓園であり、県内の男性が無実を訴えながら1962年に死刑となった事件で『無罪』判決を言い渡した」と、報じた。
 背景には、「最高裁は、事実上非公開で審理した『特別法廷』の正当性について検証」を始めていることがあり、その狙いについては、「模擬裁判は再審が認められたとの設定で、手続きの問題点を浮き彫りにする」こととされている。
 このことについて、「再審弁護団の徳田靖之弁護団長は『無実となるべき事件。模擬裁判を通じて多くの人に問題点を知ってもらえた」と、その意味について伝えている。

 以下、熊本日日新聞の引用。






熊本日日新聞-模擬裁判は「無罪」 ハンセン病元患者死刑事件- 2014年10月20日

 国立ハンセン病療養所などに設けた「特別法廷」で審理された患者の刑事裁判を、現在の裁判員裁判で再び審理すればどうなるか。熊本大法学部の学生による模擬裁判が19日、合志市の菊池恵楓園であり、県内の男性が無実を訴えながら1962年に死刑となった事件で「無罪」判決を言い渡した。

 最高裁は、事実上非公開で審理した「特別法廷」の正当性について検証を始めており、男性の殺人事件でも再審弁護団や恵楓園の入所者らが再審を求めている。模擬裁判は再審が認められたとの設定で、手続きの問題点を浮き彫りにするのが狙い。熊本大生が被告、裁判員、弁護人役などをそれぞれ務めた。

 審理では、凶器とされた短刀について、弁護人役は「被害者に26カ所の傷があるにもかかわらず、血痕が残っていない」と疑問視。犯行現場から逃げてきた男性と会ったという証人が「被告は短刀を小屋に隠してきたと言った」と証言した内容についても「証人は捜査段階で、逃げてきた被告が凶器を持っていたと供述していた」と矛盾を指摘した。

 被告役の学生は、特別法廷の様子を「裁判官らは白衣とゴム長靴姿で、ゴム手袋をはめて証拠物を扱った。傍聴人はほとんどいなかった」として、非人道的で非公開だった審理の問題点を訴えた。

 裁判官と裁判員役の学生9人による合議の結果、「凶器の短刀に血痕が見当たらないなど不自然な点がある。被告人に凶器かどうかの確認もしておらず、証拠ねつ造の疑いが払拭[ふっしょく]できない」などとして、男性に無罪を言い渡した。

 特別法廷での白衣着用などについても「合理的理由がない差別的扱い」として、法の下の平等を定めた憲法に違反すると指摘した。

 模擬裁判は、再審弁護団が熊本大法学部の岡田行雄教授(刑事法)に協力を依頼。約150人が“傍聴”した。裁判員役を務めた法学部3年の小島史衣さん(22)は「当時の裁判は公平性を欠いていたと感じた。人は平等に扱われるべきだ」と感想を語った。

 再審弁護団の徳田靖之弁護団長は「無実となるべき事件。模擬裁判を通じて多くの人に問題点を知ってもらえた」と話した。
(楠本佳奈子)


by asyagi-df-2014 | 2014-10-21 05:49 | ハンセン病 | Comments(0)

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