労働問題-賃金体系や労働時間規制の見直しに突き進む前に、政府には解決すべきことが山ほどある

高知新聞は、2014年10月3日、安部晋三政権に対して、「政労使会議 政府が口を挟むことか」と、社説で苦言を呈した。
 その内容は、「政府と経済界、労働界代表による政労使会議で安倍首相は、年齢や勤続年数に応じて給料が上がる年功序列型賃金の見直しを検討するよう求めた。」というものである。
 高知新聞の見解は、「労使交渉を飛び越し、政府が賃金体系の見直しに口を挟むのはおかしい。」とした。
 どうやら、安部晋三政権には、根本的問題が横たわっているようだ。
 日本国憲法、自由権、基本的人権等の基本原則、基本理念を理解できていないということだ。
 こう指摘すると、いびつな戦後体制をかたち作ってきた諸々を壊すために政策展開をしているのだと、抗弁してくるのだろう。
 しかし、「連合の古賀会長は『労使で議論してきた積み重ねが現在の姿。年功序列の(賃金)カーブだけを見て解消すべきだというのは乱暴』と反論」といったこれまで労使で培ってきた枠組みを、「成長戦略」という一部利益団体の利潤追及に添った制度に無理矢理変えようとするやり方には、「日本国憲法、自由権、基本的人権等の基本原則、基本理念を理解できていない」というしかない。
 そしてやはり、労働者の問題については、高知新聞同様に、「全労働者の4割近くを非正規雇用が占める中、若者らを長時間労働で使い捨てるブラック企業の問題なども深刻だ。賃金体系や労働時間規制の見直しに突き進む前に、政府には解決すべきことが山ほどある。」と、強く言うしかない。

 以下、高知新聞の引用。







高知新聞-政労使会議 政府が口を挟むことか-2014年10月03日



 政府と経済界、労働界代表による政労使会議で安倍首相は、年齢や勤続年数に応じて給料が上がる年功序列型賃金の見直しを検討するよう求めた。
 年功賃金は、終身雇用とともに戦後長く続いてきた日本独特の制度だ。バブル崩壊後の1990年代、従業員個々の業績で評価する成果主義を導入する企業も出てきたが、多くは年功賃金を維持している。
 安倍首相はアベノミクスで掲げる経済成長を達成するには、企業の労働生産性を上げ、収益を増やす必要があると繰り返している。年功賃金見直し発言も経済で成果を導く「雇用改革」の一環という意識だろう。
 しかし、賃金制度は長年の労使交渉を経て維持されてきた。
 会議後、連合の古賀会長は「労使で議論してきた積み重ねが現在の姿。年功序列の(賃金)カーブだけを見て解消すべきだというのは乱暴」と反論した。もっともな意見だろう。
 労使交渉を飛び越し、政府が賃金体系の見直しに口を挟むのはおかしい。
 政労使会議は安倍首相が主導して昨年9月に始まった。企業収益の改善を通して賃上げや雇用拡大、個人消費の底上げを促すのが狙いだ。
 昨年12月には政労使が賃上げで合意し、それが今春闘の大企業を中心とした久々のベースアップ(ベア)につながったとの見方がある。
 9カ月ぶりに再開した会議は、賃上げや賃金体系に加え、人事制度も議論する予定だ。ただし、そうした課題は基本的には労使交渉で解決すべき問題ばかりだ。
 会議の正式名称は「経済の好循環実現に向けた政労使会議」という。経済成長や企業業績を優先するあまり、労働者の視点で雇用改善などが真剣に議論されるのか心配だ。
 大きな懸念の一つが、年収など一定要件を満たした労働者の残業代をゼロとする労働時間規制の見直しだ。厚生労働省の審議会で検討中で、政労使会議でも議論される。過労死につながるとして労働団体は反対している。なぜ政府は導入を急ごうとするのか、労働者側の立場での議論が必要だ。
 全労働者の4割近くを非正規雇用が占める中、若者らを長時間労働で使い捨てるブラック企業の問題なども深刻だ。賃金体系や労働時間規制の見直しに突き進む前に、政府には解決すべきことが山ほどある。
by asyagi-df-2014 | 2014-10-08 05:29 | 書くことから-労働 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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