特定秘密保護法-日本弁護士会意見書20140919から

改めて、特定秘密保護法について考える。
 日本弁護士連合会は、2014年9月19日、「特定秘密保護法の廃止を求める意見書」を(以下、見解とする)政府に提出した。
この見解についてまとめることが、特定秘密保護法の問題点を理解することに繋がる。

 見解は、意見の趣旨で、「本法は、廃止されるべきである。」と、端的に結論づけている。
 その理由は、第1に、「制定のために必要な立法事実が認められない」こと。第2に、「国民の知る権利を侵害し、情報公開制度や国会の行政監視機能を阻害するおそれは、何ら払拭されていない」こと。第3に、「本法制定に当たっては、十分な国民的な議論が尽くされたとは言えない」ことにある、としている。
 この理由に基づき、特定秘密保護法については、第1に、「まずは本法を廃止し、制度の必要性や内容について、あらためて国民的な議論を行うべきである」こと、第2に、「仮に、国民的な議論を経た上で法律が必要とされる場合であっても、ツワネ原則に則し、国民の知る権利及びプライバシーの保護の規定を明文化すべきである」こという二つの考え方を導き出し、見解としてまとめている。

 特に、①「制定のために必要な立法事実が認められない」こと、②「本法制定に当たっては、十分な国民的な議論が尽くされたとは言えない」こと、③「ツワネ原則に則し、国民の知る権利及びプライバシーの保護の規定を明文化すべきである」ことの三点について、見解から補足する。

 ①「制定のために必要な立法事実が認められない」ことについては、次のことが見解の中で触れられている。
 まず、「秘密保全のための法制の在り方にに関する有識者会議」で立法事実として紹介された「主要な情報漏えい事件等の概要」は、本法の必要性がないことを日弁連として明らかにした。また、内閣法制局は、「立法事実の弱いように思われる。防衛秘密制度を設けた後の漏えい事件が少なく、あっても起訴猶予のため、重罰化の論拠になりにくい」こと及び「ネット(経由の漏えいの危険)と重罰化のリンク(つながり)が弱いのではないか」ということを指摘している。
 このことから、「本法には制定の必要性を裏付ける立法事実は存在しない」とした。

 ②「本法制定に当たっては、十分な国民的な議論が尽くされたとは言えない」ことについては、次のように指摘している。
「本法は、内容のみならず、制定手続きにおいても国民主権・民主義の概念を踏みにじっていると言わざるを得ない。本法は、主権者たる国民の基本的な権利である知る権利が侵害されるおそれや、プライバシーが侵されるおそれが問題とされているのであるから、本法がそもそも必要であるか否かを含む国民的な議論が不可欠である。このような議論なくして本法が施行されることは、国民主権・民主主義を否定することになる。したがって、まずは本法を廃止し、あたためて国民的な議論を尽くすべきである。」

 ③「ツワネ原則に則し、国民の知る権利及びプライバシーの保護の規定を明文化すべきである」ことについては、2014年7月26日の国連(自由権)規約委員会は、ツワネ原則(自由権規約第19条によって保障される表現の自由・知る権利と国際的に承認された国家安全保障と情報への権利に関する国際原則)に基づき、日本政府に勧告意見を行った。
 したがって、日弁連は、ツワネ原則に則した法案の見直しが必要であるとしている。また、「仮に国民的議論の結果、本法の制定が必要とされた場合であっても、民主主義国家として、国民の知る権利やプライバシーの保護のために、法律で明文化することが不可欠である」と、している。

 安部晋三政権は、集団的自衛権の閣議決定に向けた時も、この「立法事実の根拠がない」にもかかわらずごり押しするという強権なやり方を同じように貫いた。
どのように考えても、安部晋三政権には、理はない。


by asyagi-df-2014 | 2014-10-02 05:34 | 特定秘密保護法 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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