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貧困問題-政治の最優先課題は何なのか。

京都新聞の社説は、「お金がないから、勉強をあきらめる-。そんな悲しい現実に直面する若者が増えている。」と、始まる。
また、現在の状況を、「厚生労働省が毎年実施している国民生活基礎調査によると、12年の全世帯平均所得は537万円で、デフレ不況の影響で10年前から40万円以上も減っている。より深刻なのは低所得世帯の増加で、300万円未満が全世帯の3分の1を占める。一方、20年前と比べ、大学の授業料は1・5~2倍に跳ね上がった。これでは、高等教育費の負担に耐えられない家庭が続出して当然だ。奨学金を受給する大学生の割合は2割から5割に増えたが、奨学金の大半は有利子の貸与で、卒業後の返済に大勢の若者が苦しんでいる。はじめから進学をあきらめる若者も少なくないだろう。」と、報じる。
そして、「こんなありさまでは、安倍晋三首相が唱える『日本を強くする』どころではあるまい。少子化が進むなか、若者たちが存分に教育を受けて能力を高め、それを発揮できる環境を整えることこそ、政治の最優先課題であるはずだ。」と、まとめる。

 安部晋三政権へ、同様に投げかける。政治の最優先課題は何なのか。

以下、京都新聞の引用。






京都新聞社説-貧困ゆえの中退  格差の連鎖を断ち切れ- 2014年09月29日

 お金がないから、勉強をあきらめる-。そんな悲しい現実に直面する若者が増えている。
 文部科学省の2012年度調査によると、大学や短大を中退する理由として「経済的理由」が最も多く、前回07年度の調査と比べて6・4ポイントも上昇、20・4%に達した。経済格差が拡大し、教育の格差にまで及んできている深刻な実態の表れといえる。
 放置すれば、若者から希望と自己実現の機会を奪うばかりか、世代を超えて格差を固定化させる要因になる。家庭がどんな経済状況でも、努力すれば高等教育を存分に受けられ、能力を発揮できるよう、学費の減免制度や奨学金の充実を図るべきだ。
 文科省の調査には、全国の国公私立の大学、短大、高等専門学校1191校のうち1163校が回答。約299万人の学生の2・65%にあたる約7万9千人が中退した。中退に至らない休学の理由でも経済的理由はトップだ。「経済格差が広がり、家計から学生への支出総額が年々減っている」(同省)ことが影を落としている。
 厚生労働省が毎年実施している国民生活基礎調査によると、12年の全世帯平均所得は537万円で、デフレ不況の影響で10年前から40万円以上も減っている。より深刻なのは低所得世帯の増加で、300万円未満が全世帯の3分の1を占める。
 一方、20年前と比べ、大学の授業料は1・5~2倍に跳ね上がった。これでは、高等教育費の負担に耐えられない家庭が続出して当然だ。奨学金を受給する大学生の割合は2割から5割に増えたが、奨学金の大半は有利子の貸与で、卒業後の返済に大勢の若者が苦しんでいる。はじめから進学をあきらめる若者も少なくないだろう。
 こんなありさまでは、安倍晋三首相が唱える「日本を強くする」どころではあるまい。少子化が進むなか、若者たちが存分に教育を受けて能力を高め、それを発揮できる環境を整えることこそ、政治の最優先課題であるはずだ。
 国公立大の授業料を下げ、授業料の減免枠を広げ、無利子や返済不要の奨学金を拡充するなど、お金がなくても誰もが学べるような教育制度を再構築すべきだ。分配を軽視し、成長にばかり目を向けて所得格差を広げるような経済政策も方向転換する必要がある。
 財政難で教育予算の積み増しが難しいのは分かる。だが、国や社会を支えるのは人だ。そこへの投資を惜しんでは未来は開けない。


by asyagi-df-2014 | 2014-09-29 21:06 | 書くことから-貧困問題 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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