沖縄から-辺野古市議選は反対を示した。

 辺野古基地問題を焦点として行われた名護市議選は、「建設反対の稲嶺進市長を支える与党候補が過半数を維持した。1月に稲嶺市長が圧勝した市長選に続き、あらためて建設に反対する名護市民の民意を明確に示したことになる 」と報じられた結果となった。
 この結果は、「4年前の市長選以降、市民が2度の市長選と2度の市議選で基地建設反対の意思を鮮明にし、維持し続ける意味は大きい。」ものである。
 本来、政府はこの結果を受けて、「新基地建設を強行せず、地元名護市民が出した建設反対の意思を真摯に受け止める必要」があるはずである。
 しかし、安部晋三政権の菅官房長官は、次の様に政府の姿勢を述べている。
 「市議選はその一点だけの結果ではない。辺野古移設は淡々と進める」とし、「地元のみなさんにはさまざまな意見があることは承知している」とした上で、「普天間の固定化は絶対に避けなければならない」と強調。「一日も早く普天間返還が実現できるよう全力で取り組む」と。
 こうした安部晋三政権のあり方について、琉球新報は、以下のように、現政権を切って捨てる。
 「それなら今回、逆の結果が出たのだから、政府は『市民の民意は移設反対だ』と言明すべきだ。移設作業を中断するのが筋であろう。しかし政府は移設強行の姿勢をあくまで続ける構えだ。論理性はみじんもない。
 ことし1月の名護市長選で稲嶺氏は「自然と未来の子どもを守るためにも、辺野古に新しい基地は造らせない」と訴えた。市民はその決意を信じ、自らや子孫の将来を託した。本来ならその時点で政府は新基地建設を断念すべきだ。
 例えばじゃんけんをするとする。幼児は往々にして、自分が勝つまで執拗(しつよう)に繰り返すよう求めるものだ。
 自分の見たいものだけを見て、自分が見たくないものには目をふさぐ。見たい選挙結果が出るまで、何度でも執拗に繰り返しを求める。辺野古移設をめぐる政府の態度は、そのような幼児的心性そのものだ。」

 あえて、安部晋三政権には、要求する。
「政府は新基地建設を強行せず、地元名護市民が出した建設反対の意思を真摯(しんし)に受け止める」こと。そして、沖縄の民意に立って、辺野古新基地建設を永久に断念すること。

以下、沖縄タイムス及び琉球新報の引用







沖縄タイムス-稲嶺与党、支持強固 名護市議選-2014年9月8日

 米軍普天間飛行場の返還に伴う辺野古新基地建設で海上作業が進む中、名護市議選は、建設反対の稲嶺進市長を支える与党候補が過半数を維持した。1月に稲嶺市長が圧勝した市長選に続き、あらためて建設に反対する名護市民の民意を明確に示したことになる。国は「選挙結果が埋め立てに影響を与えることはない」(菅義偉官房長官)とするが、建設反対の世論が一層高まるのは必至だ。(北部報道部・伊集竜太郎)

 与党候補は辺野古問題を争点化。基地反対の姿勢を明確にし、「稲嶺与党」を前面に打ち出して支持を呼び掛けた。稲嶺市長が各候補の応援演説にも立ち、幅広い支持を集めた。

 県民の多くが反対する中、政府が8月から基地建設に向けたボーリング調査を始めたことに対する反発も追い風となった。稲嶺市政は与党多数の後ろ盾を得たことで、今後も「基地に頼らないまちづくり」を推進することになる。

 一方、野党候補のうち15人は自民党名護市支部が推し、辺野古移設を容認する地元経済界も集票を支援した。辺野古問題を争点化せず、「名護市に活力を取り戻す」を統一テーマに訴えて市政批判を展開したが、支持は広がらなかった。

 今市議選は、稲嶺市長が「知事選の前哨戦」と位置付けた通り、知事選出馬予定の翁長雄志那覇市長が応援に駆け付けた。翁長氏側にとって与党の過半数維持は、知事選勝利に向けて弾みをつけた格好だ。

 稲嶺、翁長両市長は告示後の演説会で、普天間飛行場の閉鎖・撤去と県内移設の断念を求めた「建白書」を踏まえ「オール沖縄の源流を名護から再び」と訴えている。

 その点で4年前の市長選以降、市民が2度の市長選と2度の市議選で基地建設反対の意思を鮮明にし、維持し続ける意味は大きい。政府は新基地建設を強行せず、地元名護市民が出した建設反対の意思を真摯(しんし)に受け止める必要がある。


沖縄タイムス社説-名護市議選 底堅い移設反対の民意-2014年9月8日

 2014年統一地方選挙は7日、24市町村(5市6町13村)で一斉に議会議員選挙が行われ、竹富町を除く23市町村で即日開票された。

 名護市辺野古への新基地建設に向けボーリング調査が進む名護市議選には、定数27に対し35人が立候補した。

 市政与党は改選前の15議席から1議席を減らしたものの、辺野古反対派が引き続き過半数を確保した。

 市議選で移設容認派は、辺野古推進にかじを切った仲井真弘多知事の名護入りを見送るなど、移設問題が争点になるのを極力避け、地域振興や雇用の拡大を訴えた。

 市政野党は改選前の10議席から1議席伸ばした。

 市政に対して中立の立場を取る公明党は現職2人がそろって当選した。

 公明2候補は、辺野古移設については反対の姿勢を明確にしており、新しい市議会でも市政与党と公明を合わせた移設反対派が16議席を占めた。

 10年の市長選、市議選、今年の市長選、市議選と4回とも地元名護市の民意は「辺野古反対」だった。野党候補に1票を投じた市民の中には「辺野古には反対」と言う人もおり、「辺野古反対」の民意が依然、底堅いことを示している。

 政府は今回の市議選の結果にかかわらず辺野古移設を「粛々と進める」(菅義偉官房長官)と予防線を張っているが、引き続き強引な手法を進めれば、地元はもとより多くの県民の反発を招くのは必至だ。
    ■    ■
 市町村議会は、それぞれが独自の課題を抱えている。地方選挙では、生活に密着した政策を前面に押し出し、地縁・血縁をフルに生かして有権者にアピールするのが普通だ。

 今年の統一地方選も、その点では少しも変わらない。

 4年前の前回選挙に比べ大きく変わったのは「県知事選の前哨戦」としての性格が濃厚だったことである。

 現時点で県知事選への立候補を予定しているのは仲井真弘多知事、翁長雄志那覇市長、下地幹郎元郵政改革相の3人。

 県知事選の結果が新基地建設に極めて大きな影響を与えること、実績豊富な保守系の有力3氏が立候補の意思を表明していることもあって、今回の統一地方選は、名護市以外でも、県知事選を意識した動きが目立った。

 統一地方選がピークを越えたことで、県内政治はいよいよ知事選に向けた動きが本格化する。
    ■    ■
 沖縄では、安倍政権誕生以来、住民意識に変化が起きている。

 強引な新基地建設や、閣議決定による集団的自衛権の行使容認など、高年層を中心にかつてないほど戦争への危機感が高まっている。

 その一方、復帰後生まれのネット世代の中には、高年層との意識の断絶も目立つようになった。

 統一地方選のすべての結果を詳細に分析することで、知事選に向けた水面下の地殻変動が、どのような性質のものかが明らかになるだろう。



琉球新報社説-名護市議選 民意はまたも示された 辺野古断念は理の当然だ-2014年9月8日

 民意はまたも示された。いったい何度示せば、政府は民意に従うのだろう。
 2014年統一地方選の焦点で、全国的にも注目を集めていた名護市議会議員選挙は、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対する稲嶺進市長を支持する与党が、議席数で野党を上回った。
 ことし1月の名護市長選で、政府や知事、自民党県連が総力を挙げて支援した候補は落選し、稲嶺氏が当選した。2010年の市長選、市議選も含めると再三再四、移設拒否という地元名護の民意は示されているのだ。民主主義国家を標榜(ひょうぼう)するのなら、日米両政府は辺野古移設を断念すべきだ。

幼児的心性

 名護市議会は議席数27。与党は14議席を獲得し、野党は11議席だ。中立的立場の公明2議席も移設には反対だから、それを加えると移設反対はさらに多数となる。
 もし今回、野党が過半数を占めていたら、政府は躍起になって「名護市民の本音は移設受け入れだ」と言いはやしたはずだ。それを移設強行の論拠にしたであろうことは、想像に難くない。
 それなら今回、逆の結果が出たのだから、政府は「市民の民意は移設反対だ」と言明すべきだ。移設作業を中断するのが筋であろう。しかし政府は移設強行の姿勢をあくまで続ける構えだ。論理性はみじんもない。
 ことし1月の名護市長選で稲嶺氏は「自然と未来の子どもを守るためにも、辺野古に新しい基地は造らせない」と訴えた。市民はその決意を信じ、自らや子孫の将来を託した。本来ならその時点で政府は新基地建設を断念すべきだ。
 例えばじゃんけんをするとする。幼児は往々にして、自分が勝つまで執拗(しつよう)に繰り返すよう求めるものだ。
 自分の見たいものだけを見て、自分が見たくないものには目をふさぐ。見たい選挙結果が出るまで、何度でも執拗に繰り返しを求める。辺野古移設をめぐる政府の態度は、そのような幼児的心性そのものだ。
 仲井真弘多知事も埋め立て承認を撤回するのが筋ではないか。移設反対の候補の議席が容認候補を上回ったのだから、地元の民意を尊重するよう政府に求めるのが本来の知事の役割ではないか。
 普天間飛行場を本島東海岸に移設するとした1996年の日米合意以来、実に18年も名護市民はこの移設問題に翻弄(ほんろう)されてきた。その間、政府による露骨な介入で市民は分断を余儀なくされた。市民の一体感を毀損(きそん)する介入が、街づくりにどれほど悪影響を及ぼしたことか。その意味でも過去の政府の分断行為は許されない。

国連勧告に逆行

 政府・自民党の介入は、主として移設容認に資金的見返りを与えるというものであった。1月の市長選で、移設容認候補が当選したら500億円規模の基金を設置すると表明したのが典型だ。そうした露骨な利益誘導を、市民は堂々とはね返した。自らの尊厳を取り戻す誇り高い態度と言ってよい。
 そもそも、辺野古新基地を使おうとする米海兵隊は、他国侵攻型の軍隊だ。その軍が米国外に、中でも専守防衛を旨とする日本に、大規模駐留するのが妥当なのか。
 空軍、海軍、陸軍に加え海兵隊も一つの島に集中するのは危険過ぎる。ジョセフ・ナイ元米国防次官補代理が最近、「脆弱(ぜいじゃく)」という理由で日米同盟の構造を再考すべしと訴えたのはそういう意味だ。沖縄県内移設を断念し、プランB(代替案)を検討するのは、むしろ米国の利益にもかなっている。
 辺野古新基地は滑走路が2本あり、強襲揚陸艦も接岸できる軍港機能も持つ。基地負担の軽減に逆行するのは歴然としている。
 国連の人種差別撤廃委は8月末、沖縄の住民の民意尊重を勧告した。世論調査で8割に及ぶ反対の民意に背き、新基地建設を強行しようとする政府の姿勢は、その勧告にも明らかに反している。



by asyagi-df-2014 | 2014-09-09 05:30 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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