沖縄から-辺野古ブイ設置20140815

 辺野古ブイ設置について、沖縄タイムスは、次のように訴える。

 「民主国家で政治の要諦は、住民と権力の合意形成だ。地元の市長が反対している事業を強行し、その揚げ句に不測の事態が起きた場合、政権が吹き飛ぶ覚悟ができているか。」 
「誇りに感じている美しい海が埋められるとき、民衆がどう行動するか。安全に排除することなど可能なのか。政府は未経験の領域に、足を踏み入れようとしている。」

「私たちは諦めない。その必要もない」、この沖縄の声を肝に命じる。
「私たちも諦めない。その必要もない」

 以下、沖縄タイムスに引用。







辺野古ブイ設置:[視点]怒り やがてうねりに-2014年8月15日


 黄色やオレンジの色鮮やかな浮具が14日、名護市辺野古の北側、大浦湾の青い海に浮かんだ。米軍普天間飛行場の返還に伴う新基地建設に向けた、埋め立て工事の区域を示すブイ。「これ以上、沖縄に米軍基地はいらない」。熱い思いに突き動かされて心身を削り、巨大な軍事基地を造らせまいと声を枯らし、訴えてきた人々の願いは無視された。

 地域の人々に慈しまれ、文化や生活の中に溶け込み、そして多くの生き物が住む豊かな海だ。だが波間に見え隠れするフロートが海上に描いた線は、政府が県民を威圧し、封じ込め、排除するための目印でもある。これから始まる、沖縄の長く苦しい闘いのスタートラインとなった。

 2004年に政府が着手したボーリング調査は、住民の粘り強い反対運動で中止に追い込まれた。10年がたち、再び動きだした基地建設の計画を今度は確実に遂行させるべく、国家権力は以前にも増し、なりふり構わず住民に牙を向けている。

 ブイ設置作業を最前線で食い止めようと海に出た市民のカヌーや小型船は、待ち構えた海上保安庁のボート十数隻に取り囲まれ、「先には行けない」と威圧された。先日は、市民らが抗議活動を続ける米軍キャンプ・シュワブゲート前に突然、仮設フェンスや鉄板が張り巡らされた。

 どちらも根拠は不明だ。そもそも、入ってはいけないとする「制限水域」の境界線が波の上に見えるのだろうか。強まる風雨で市民が動きにくくなる悪天候をこれ幸いとばかりに、海上で強引に作業を推し進め、わが物顔で支配する姿は、横暴きわまりない。

 戦後69年が過ぎた今、また海を埋め立て、米軍基地を造ることを許すまいと、ゲート前には子どもからお年寄りまで300を超える人が駆け付けた。「私たちは諦めない。その必要もない」。力強い訴えは静かな波紋のように広がり、大きなうねりとなって県民の力に変わる。(北部報道部長・儀間多美子)

辺野古ブイ設置:「平成の安保闘争」危惧-2014年8月15日


 日本が近代国家の仲間入りをした明治という時代の特徴は「デモクラシー」(民主主義)の導入だった。民衆の訴えが議員という代表者を通して国政に反映される仕組みが、初めて確立された。そして戦後、日本国憲法で表現の自由、集会・結社の自由が保障された。
 民衆が国家権力に異議を申し立て、行動できる社会体制は、民主主義の根幹を成している。

 沖縄タイムスの世論調査で県民の66%が基地建設に反対した名護市辺野古に、国は抗議行動する民衆を排除するためのブイを設置した。

 日米両政府は事前に、米軍基地の周囲にある一般の人が立ち入れない区域を拡大した。抗議する人たちの排除を合法化するためだ。

 実は、防衛省は日米が2006年にV字形滑走路で合意した直後から、すでに立ち入り制限区域の拡大を検討していた。“防衛省の天皇”といわれた守屋武昌事務次官の在籍時だ。

 市長が代わろうが、民衆が抗議しようが、基地建設を強行する方針は8年前に決まっていた。

 この国は過去に、民衆と権力の激しい衝突を経験している。

 1960年、69年の「安保闘争」。60年代後半から70年代に激化した、成田国際空港建設に反対する「三里塚闘争」が代表例だ。

 どちらも市民側や警察側に死者が出る、悲惨な事態を招いた。ただ、闘いの場は陸上だった。

 近代国家の幕を開けた明治以降、この国は政府が事業主体となる基地建設工事をめぐり、海の上での苛烈な衝突を経験していない。

 言うまでもなく、海上の衝突は命に関わる。「平成の安保闘争」「平成の三里塚闘争」となる危険性をはらんでいる。

 ブイ設置やボーリング調査を単なる手続き、工程と捉えている政府に、こうした視点はあるか。

 民主国家で政治の要諦は、住民と権力の合意形成だ。地元の市長が反対している事業を強行し、その揚げ句に不測の事態が起きた場合、政権が吹き飛ぶ覚悟ができているか。

 誇りに感じている美しい海が埋められるとき、民衆がどう行動するか。安全に排除することなど可能なのか。政府は未経験の領域に、足を踏み入れようとしている。 (政経部・吉田央)


by asyagi-df-2014 | 2014-08-15 21:16 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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