水俣からー「線引き」の矛盾

 朝日新聞は、水俣病に関して、「対象地域を決めた「線引き」の矛盾が改めて浮き彫りになっている。」(2014年8月14日)、「水俣病被害者救済法(特措法)の救済対象とならなかった関東の男女計18人が12日、原因企業のチッソと国、熊本県に総額8100万円(1人あたり450万円)の損害賠償を求める集団訴訟を東京地裁に起こした。」(2014年8月12日)と、報じた。
 この一連の報道は、宮澤信雄の水俣病事件に関しての「行政が選んだ政策は、認定制度の運用によって被害者を少なくすること、被害がなかったように見せかけることではなく、認定制度は終始、医学的と見せかけながら、実は補償負担者の都合に合わせて運用されてきた」という指摘を証明するものである。
 以下、朝日新聞の引用。







水俣病、50年前の領収証が裏付け 対象地域外で救済

 水俣病被害者救済策の対象地域から外れている鹿児島県伊佐市の山間部にある布計(ふけ)地区で今夏、70代の夫妻2人が初めて県から「被害者」と判定された。地区では過去に水俣病の認定患者が出ておらず、過去の政治決着でも対象地域から外されてきた。救済対象者の判定作業は大詰めを迎えているが、対象地域を決めた「線引き」の矛盾が改めて浮き彫りになっている。

 救済策は原則として、不知火(しらぬい)海沿岸の対象地域に居住歴があり、1969年11月までに生まれたことが条件。布計地区のような対象地域外からの申請は、原因企業チッソのメチル水銀に汚染された魚介類を日常的に食べていたことを申請者が自ら証明する必要がある。

 布計地区は80年代まで鉄道で熊本県水俣市と結ばれており、行商が水俣の魚を運んでいた。被害者団体「水俣病不知火患者会」によると、同地区では、対象地域に居住歴はないが、民間の検診で水俣病の典型症状が確認された住民14人が救済を申請。しかし、魚介類を食べたことの証明は難しく、認められたのは、この夫妻2人だけだという。




水俣病賠償、関東の18人が提訴 救済対象にならず-2014年8月12日

 水俣病の典型的な症状を訴えながらも水俣病被害者救済法(特措法)の救済対象とならなかった関東の男女計18人が12日、原因企業のチッソと国、熊本県に総額8100万円(1人あたり450万円)の損害賠償を求める集団訴訟を東京地裁に起こした。

 原告は、熊本、鹿児島両県出身の40~70代で、東京、神奈川、埼玉など5都県に在住。訴状などによると、13人は特措法に基づく救済を申請したが、住んでいたのが対象地域外との理由などで「非該当」とされたほか、別の5人も救済策を知らなかったために期限内に申請できなかったという。

 救済策は、被害者に一時金210万円や療養費を支給するもの。2012年7月に申請が締め切られたが、対象を国が定めた地域に一定期間住んだ人に限ったため、対象外となる人が相次いだ。弁護団によると、熊本地裁で計545人が同様の訴訟を起こしているほか、大阪地裁でも20人が9月に提訴する予定。

 提訴後に会見した原告の会社員吉竹直行さん(51)は鹿児島県伊佐市出身で、18歳で東京に移住した。救済策を知らずに申請しなかったといい、「そういう人がいることを訴えていかなければならないと思った」と話した。


by asyagi-df-2014 | 2014-08-17 05:25 | 水俣から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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