自由権-国際人権(自由権)規約委員会の総括所見に対する会長声明

 日弁連は、国際人権(自由権)規約委員会の総括所見に対する会長声明 を2014年8月1日に表明した。
 このなかで、特に、「委員会は、勧告した事項の中で、死刑制度、代用監獄、慰安婦、技能実習生の4項目をフォローアップの対象とし、1年以内に政府の報告を求めている。
当連合会は、日本政府が、委員会の勧告について誠意をもって受けとめ、その解決に向けて努力することを強く求めるとともに、その実現のために全力で努力していく所存である」と、している。
 私たちも、このことに注視していかなけねばならない。
 以下、日弁連会長声明を引用。







国際人権(自由権)規約委員会の総括所見に対する会長声明

国際人権(自由権)規約委員会(以下「委員会」という。)は、2014年7月24日、市民的及び政治的権利に関する国際規約(以下「自由権規約」という。)の実施状況に関する第6回日本政府報告書に対して、同年7月15日、16日に行われた審査を踏まえ、総括所見を発表した。

委員会は前回の審査から今回の審査までの6年間に、人身取引防止の行動計画(2009年)、男女共同参画基本計画(2010年)、公営住宅法の改正(2010年)、婚外子差別規定を改めた国籍法の改正と民法の改正(2008年、2013年)、強制失踪条約の批准(2009年)と障がい者の権利条約の批准(2014年)が実施されたことについては、前向きの要素として評価している。

個別的人権課題については19項目について、評価・勧告を行った。

特に刑事司法分野については、袴田事件に言及して、死刑の廃止について十分に考慮することや執行の事前告知や死刑確定者への処遇等をはじめとする制度の改善等を勧告したほか(13項)、代用監獄の廃止、起訴前の保釈、取調べへの弁護人の立会い、取調べ期間の制限と全過程の録画等を勧告した(18項)。

ジェンダーについて、待婚期間等の差別的条項の修正を継続して拒絶していることなどジェンダーに基づく差別の解消が進まないことに懸念を表明し、民法の改正、政治的分野への女性参画、男女の雇用形態及び賃金水準の格差の軽減、ジェンダーに基づく暴力等への適切な対応、性的指向及びジェンダーアイデンティティに基づく差別禁止法の立法等を求めた(8~11項)。

このほか、いわゆる従軍慰安婦に対する立法的行政的な措置(14項)、外国人技能実習制度の見直し(16項)、難民・移民の送還手続中の非人道的な取扱いの禁止(19項)等を勧告し、精神病院への非自発的入院(17項)、ムスリム問題について警察職員による広範な監視活動(20項)、子どもに対する体罰(25項)や先住民(26項)の問題点等を指摘した。

他方、新たに秘密保護法(23項)、ヘイトスピーチ(12項)、福島原子力災害(24項)について取り上げた。秘密保護法については、秘密指定を厳しく限定すること、ジャーナリストや市民活動家が公益に関する情報を公表したことで処罰されないことを保証すべきであるとの勧告がなされた。ヘイトスピーチについては、レイシズムに対する啓発キャンペーンだけでなく、適切な制裁をもって処罰されるようにするために、すべての必要な措置もとるべきであるとした。福島原子力災害については、被害者に対する避難の指定の解除は住民に危険がない場合に限ること、適切な情報が公開されるべきことなどが勧告された。

日本の人権状況を改善するための制度的な措置について、個人通報制度を定める選択議定書の批准(6項)、政府から独立した国内人権救済機関の設置(7項)を勧告した。国内人権機関については、人権委員会法案の2012年11月の廃案以来、何らの進展を見せていないのは遺憾であると最大級の失望感を表明している。また委員会は、批准された条約が国内法的効果を持っているにもかかわらず、条約の下で守られるべき権利が裁判所では極めて限定されたケースでしか適用されていないと指摘し、裁判官・検察官・弁護士に対する条約の適用と解釈についての国際人権法教育を求めた(6項)。

委員会は、勧告した事項の中で、死刑制度、代用監獄、慰安婦、技能実習生の4項目をフォローアップの対象とし、1年以内に政府の報告を求めている。

当連合会は、日本政府が、委員会の勧告について誠意をもって受けとめ、その解決に向けて努力することを強く求めるとともに、その実現のために全力で努力していく所存である。

  2014年(平成26年)8月1日
                        日本弁護士連合会
                              会長 村 越  進


by asyagi-df-2014 | 2014-08-09 05:41 | 自由権 | Comments(0)

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