沖縄から-辺野古の新基地の「どこが負担軽減なのか。」

 沖縄の二紙の2014年7月21日付の社説は、安部晋三政権の陰謀を次のように暴く。

「夜陰に乗じて事をなすのが防衛省の常とう手段である。」
「異常としか言いようがない防衛省のやり方は、自らの行為に正当性がないことを暴露しているようなものである。」
「辺野古の新基地は単なる普天間飛行場の代替施設などではない。軍港機能を備え、基地機能を格段に強化した一大軍事拠点となるのである。」

「夜陰に乗じて作業をするのは、事業が民意に反していることを認めていることにほかならない。」
「調査海域周辺で新たに拡大設定した立ち入り禁止水域を示し、移設に反対する市民の抗議を排除する目的で設置するものだ。」
「移設に向けた一連の手続きは、県民を出し抜き、相手先となる自治体などの虚を突く形を重ねて進められている。世間一般の常識からおよそ懸け離れた行為を行政機関が続けていること自体、理解できない。そこには国家としての威信はみじんもない。」
「県民の目を盗んで事業を進めている現状を恥じ、移設反対の民意と向き合うことこそが民主国家として取るべき道だ。」

 実は、安部晋三政権は、こうした指摘の一つ一つを腹の底から噛みしめ留ことができるかどうかを問われているのだ。
 以下、2,014年7月21日の沖縄タイムス及び琉球新報の社説、引用。


沖縄タイムス社説-ブイ シュワブ搬入 民意を無視した暴挙だ-2014年7月21日

 夜陰に乗じて事をなすのが防衛省の常とう手段である。

 米軍普天間飛行場の返還に伴う名護市辺野古沿岸部への新基地建設問題で、防衛省は20日未明、民間の大型トレーラーでボーリング調査の関連資材をキャンプ・シュワブに次々運び込んだ。新基地建設に反対する住民らを排除するために、大幅に拡大した常時立ち入り禁止水域を明示するためのブイ(浮標)やフロート(浮具)などである。

 常軌を逸した時間帯の搬入は、環境影響評価(アセスメント)の最終段階の評価書の提出が2011年の仕事納めの日の未明だったことを思い起こさせる。市民団体のいない時間帯を見計らい、評価書を守衛室に置いていった。

 異常としか言いようがない防衛省のやり方は、自らの行為に正当性がないことを暴露しているようなものである。

 防衛省が埋め立てに向けた作業を急ぐのは、11月に実施される県知事選前にいかに多くの既成事実を積み上げるかを狙っているからだ。

 新基地は政府の「負担軽減」がまやかしに満ちたものであることを示している。新基地は米海兵隊の強襲揚陸艦が接岸可能となる規模に拡大された。埋め立て申請の段階になってからである。キャンプ・シュワブ内に多数の軍関連施設を建設する計画があることも米政府の内部文書で明らかになったばかりだ。

 辺野古の新基地は単なる普天間飛行場の代替施設などではない。軍港機能を備え、基地機能を格段に強化した一大軍事拠点となるのである。
    ■    ■
 まだある。新基地では、米海兵隊が最新鋭ステルス戦闘機F35の運用を想定している。米海兵隊が昨年まとめたアジア太平洋地域における計画書「2025戦略展望」の中に盛り込んでいることが本紙の報道で分かった。

 このためキャンプ・シュワブとキャンプ・ハンセンにまたがる中部訓練場に設定されている現在の訓練空域を拡大して特別空域を再設定する方針というのだ。すでに日米間で協議が始まっていると米国防省筋は認めている。

 どこが負担軽減なのか。

 政府はオスプレイ配備も環境アセスの最終段階になって初めて明示した。米側は1996年には配備を日本側に通告していたにもかかわらず、日本側は隠蔽(いんぺい)工作をしている。F35についても環境アセスには明記されていない。

 政府が重要な情報をひた隠しにしてきた事実を見れば、まだまだ隠蔽している情報があるに違いない。
    ■    ■
 仲井真弘多知事は「県外移設」を2期目の選挙公約に掲げて当選した。新基地に反対する市民らが埋め立て不承認を求めて、知事「応援」の集会を開いていたのは記憶に新しい。知事は県民との公約を裏切り、承認したのである。だが、その後の名護市長選では新基地に断固反対する稲嶺進市長が再選されている。

 政府が根拠にするのは知事承認である。知事承認に正当性はない。従って政府の埋め立て工事にも正当性はない。政府が民意を無視し続けるのであれば民主国家でないことを内外に宣言するに等しい。


琉球新報社説-資材未明搬入 国家として恥ずべき行為だ-2014年7月21日

 夜陰に乗じて作業をするのは、事業が民意に反していることを認めていることにほかならない。
 米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画をめぐり、沖縄防衛局が海底の地質を調べるボーリング調査の実施に向け、移設予定地に隣接する米軍キャンプ・シュワブに浮標灯(ブイ)や浮具(フロート)などとみられる資材を真夜中に搬入した。
 調査海域周辺で新たに拡大設定した立ち入り禁止水域を示し、移設に反対する市民の抗議を排除する目的で設置するものだ。防衛局は近く海底調査に踏み切るとみられるが、地元名護市や多数の県民世論が移設に反対していることを全く顧みず、調査を強行する野卑な行為は許されない。
 作業用の資材を積んだ大型車両四十数台は20日午前1時半ごろ那覇港から出発した。シュワブに入ったのは午前2時半ごろだ。寝静まった時間帯を選んだのは、搬入に対する抗議行動を避ける狙いがあることは明らかだろう。
 多くの県民は、2011年の暮れに沖縄防衛局が辺野古移設に向けた環境影響評価書を県庁の守衛室に搬入したことを思い出したのではないか。あの時も午前4時すぎという異例の時間帯だった。昨年3月の埋め立て申請の際には、県の北部事務所に不意打ちのように書類を運び込んでいる。
 移設に向けた一連の手続きは、県民を出し抜き、相手先となる自治体などの虚を突く形を重ねて進められている。世間一般の常識からおよそ懸け離れた行為を行政機関が続けていること自体、理解できない。そこには国家としての威信はみじんもない。
 その都度強く批判されながらも、卑怯(ひきょう)な手法を取り続けざるを得ないのは、市民、県民の理解を得た計画でないことを政府自らが認識していることの証左でもある。
 安倍政権は本年度中にも移設に向けた埋め立て工事に着手することを検討している。今月上旬には安倍晋三首相が自ら防衛省幹部に対し、海底調査の早期実施を強く迫ったという。
 移設問題が争点となる11月の県知事選を前に既成事実化を図る狙いがあろうが、こうした振る舞いが県民の理解をさらに遠ざけていることにいい加減気付いた方がよい。県民の目を盗んで事業を進めている現状を恥じ、移設反対の民意と向き合うことこそが民主国家として取るべき道だ。



by asyagi-df-2014 | 2014-07-21 18:02 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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