沖縄から-「訓練水域」の変更


沖縄から-「訓練水域」の変更

 今回の辺野古埋立手続きの策動について、気になる記事があります。
 沖縄タイムスは、2014年5月28日、「シュワブ沖、立入禁止水域拡大へ」と報じています。
 その記事は、次のようなものです。

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に向け、防衛省が漁船操業制限法に基づき、キャンプ・シュワブ周辺の米軍提供水域内での漁業や航行について制限する手続きを始めたことが27日、分かった。埋め立て工事区域がすっぽり入る範囲で、移設に反対する住民らを締め出し、作業を円滑に進める狙いがあるとみられる。

 防衛相から農林水産相をへて、県水産課が27日、名護市と漁業権を持つ名護漁協、県漁連に意見照会の文書を出した。6月5日までの回答を求めている。

 地元の意向を踏まえ、農水相は防衛相に6月18日までに意見を提出する。関係者によると、防衛省は制限の設定について米軍とも調整しており、7月上旬をめどに官報での告示を目指しているという。

 移設予定地のキャンプ・シュワブ沖は、米軍の提供水域が5区域に分かれており、それぞれに制限がある。沿岸部に接する第1、2区域は米軍の排他的使用が認められ、漁業や立ち入りを常時禁止。その外側の第3区域は船舶の停泊、係留、投錨、潜水、その他のすべての継続的行為を禁止するが、航行や立ち入りに制限はない。

 2004年の海底ボーリング調査では、第3区域で反対派が作業員と衝突し、調査を中断に追い込んだ経緯がある。

 防衛省は第3区域の大半にかかる埋め立て予定水域で、漁業や航行を制限する。漁業経営上の損失がある場合、名護漁協に補償金が新たに支払われる見通しだ。

 名護市の担当者は「市内でこれまでに米軍への提供水域にからむ制限が変更されたことはない。詳しい内容を確認しながら、調整したい」と話した。


 「辺野古浜通信」は、このことについて、次のように述べています。

 
日米地位協定に基づく沖縄県内の米軍基地の使用についての合意(5.15メモ)の「訓練水域」の変更を行い「第1水域」(一般船の通行不可)を陸岸から50㍍を2000㍍に拡大することと日米安保に基づく「アメリカ合衆国軍の水面使用に伴う漁船の操業制限等に関する法律」の「第一種区域」(常時漁船の操業を禁止する)の拡大を同様に行い、県民を建設予定地から閉め出そうと画策しています。

 県との交渉の中で明らかになったことは、日本政府が法律にも違反して、水域の制限を拡大をして、沖縄県民の抗議行動を弾圧しようとしていることです。このことによって、辺野古・大浦湾を活用している全ての県民に大きな被害を被らせることになります。常時操業が禁止される水域が沿岸から50㍍が2,000㍍に拡大することです。実質的にその分基地が拡大することになります。

 今回のことで一番問題なのは、沖縄県民の抗議行動を弾圧するために、法律の主旨を逸脱して、権力者が勝手に「改定」しようとしていることです。つまり、法律は「『米軍』が水面を使用する場合において、必要があるときは、農水大臣の意見を聞き、一定の区域及び期限を定めて、漁船の操業を制限し、又は禁止することができる」ことになっています。しかし、今回の「『告示』の一部改正」は「米軍が水面を使用する場合」での変更ではなくて、防衛省の工事のためでしかありません。このような法律違反の「改正」できないし、許されません。

 今回の「辺野古埋立」手続きで際だっていることは、名護市への対応を含めて、安倍政権が平気で法律を無視して手続きを進めていることです。これはまさに地方自治を破壊し民主主義を否定するファシズムの手法そのものです。


 また、沖縄タイムスは、2014年5月28日、「辺野古反対住民ら締め出す狙いか」、と次のように解説しています。

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設をめぐり、防衛省はキャンプ・シュワブ周辺の提供水域で漁業や立ち入りの制限を見直し、海上部分での排他的区域を広げることで、移設に反対する住民を作業現場に近寄らせない手法に出た。

 工期短縮を至上命令としており、2004年の海上ボーリング調査での失敗を教訓に「打てる手はすべて打つ」(同省幹部)という姿勢を鮮明にしている。

 シュワブ沿岸部にV字形滑走路を建設する計画では、米軍の管理する基地内の陸上部分に比べ、海上部分での対策が課題となっていた。埋め立て予定水域を網羅する形で立ち入りなどを制限することで、反対派のシーカヤックやボートを使った阻止行動を締め出す狙いがあるとみられる。

 シュワブ周辺の提供水域では陸上施設の保安や水陸両用訓練での使用を目的に、漁業や立ち入りを制限している。工事を目的に制限の範囲を拡大することには政府内で慎重論も出たが、警備を担当する省庁などからの要望が強かったという。

 防衛省は海底ボーリング調査を7月にも実施し、結果を踏まえ、設計、本体工事の発注へと移る。同調査は、その後の進捗(しんちょく)を占う試金石になるとみて、万全を期す構えだ。

 また、調査や工事の区域を明示するためのブイを海上に設置し、侵入行為を厳しく取り締まる方針を確認、全国から省職員を沖縄へ派遣し、人員を強化することも検討している。
 あの手この手を尽くし、反対派の対策を講じるほど、地元の頭越しに移設を強行する難しさが浮かび上がっている。(政経部・福元大輔)

 
この訓練水域の変更についての問題点は、「辺野古浜通信」の指摘する、「今回のことで一番問題なのは、沖縄県民の抗議行動を弾圧するために、法律の主旨を逸脱して、権力者が勝手に『「改定』しようとしていること」であることは確かです。この手法は、集団的自衛権の解釈変更を姑息な手段で図ろうとするやり方そのものです。
 ただ、一方では、「あの手この手を尽くし、反対派の対策を講じるほど、地元の頭越しに移設を強行する難しさが浮かび上がっている」との沖縄タイムスの見解についても、よくわからないところもありますが、冷静に視ておく必要があります。


by asyagi-df-2014 | 2014-06-13 05:40 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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