沖縄タイムスの「不条理の連鎖」を読む。(4)

 沖縄タイムスは、2017年8月9日より、【不条理の連鎖】、という特集を組んだ。
 沖縄タイムスには、「12日午後2時から、那覇市の奥武山公園陸上競技場で辺野古新基地建設中止を政府に求める県民大会が開かれる。昨年から今年にかけてあった米軍絡みの事件事故を振り返り、新基地に対する地元住民や関係者の声を聞いた。」、と記されていた。
この【不条理の連鎖】を読む。


 第4回目は、「家に銃弾、異常な日常 住民「戦後もずっと戦」【不条理の連鎖・4」、と表され、次のように報告した。


(1)田んぼに砲弾が落ちた。山中で発射されて海沿いの集落を越え、海岸さえ越えて沖合のリーフに届いたこともあった。『不思議と人には当たらなかったねぇ』と、住民の80代男性は話す。復帰前、恩納村安富祖の集落は隣の米軍キャンプ・ハンセンから撃たれる砲弾や銃弾にさらされていた。
(2)男性の母が小さな刺し身屋を営んでいた自宅の離れには機関銃の銃弾が1発、飛び込んできた。網戸を突き破り、壁に当たって床に転がった。1966年3月9日のことだった。一番安全なはずの自宅にいて命の危険にさらされる異常事態。だが、住民の感覚は慣らされてしまっていた。「今みたいには騒がなかった。弾が飛んでくるのが当たり前という感じ。『大変だねー』と言うくらいだった」。翌日には、向かいの家のたんすに機関銃の銃弾が当たった。役場、警察、米軍などが集まったが、「珍しくもないから見に行かなかった」という。当時の本紙記事によると、二つの弾は長さ4・5センチ、直径1センチ。「演習場から流れてきたものとみられる。石川署がくわしく調べている」と書いたが、その後も原因は特定されず、米軍からの謝罪や補償もなかった。
(3)男性は「安富祖は戦後もずっと戦だった」と言う。接収され、立ち入り禁止になった恩納岳にまきを取りに入った。中では実弾射撃演習をしていて、「弾がビュンビュン飛んでいた」。それでも、ほかに生活の手段がなかった。
(4)今年4月、男性の自宅から約800メートルの安富祖ダム工事現場で作業員の車や水タンクが傷付き、米軍の銃弾らしき物が見つかった。今回も原因は分かっていない。
男性は沖縄戦で防衛隊にとられた父を亡くした。自身も家族で山中をさまよい、殺し殺される現場を見てきた。戦後72年、銃弾に命を脅かされる状況はいまだに変わらない。男性は「香港だって99年で中国に返還された。沖縄もそろそろ占領が終わってもいい時期ではないか」とつぶやいた。


 私たちは、「香港だって99年で中国に返還された。沖縄もそろそろ占領が終わってもいい時期ではないか」とする沖縄の男性の声を、どのように受けとめることができるのか。
 日本は、この国のあり方として、このことと真摯に向き合わなければならない。




# by asyagi-df-2014 | 2017-08-21 06:04 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-辺野古 高江-から-2017年8月19・20日

 「新基地建設で米が釘『さらなる遅れの回避を』日米2プラス2 嘉手納基地めぐり沖縄の懸念伝達」、と沖縄タイムス。 
あらためて、日本の主権について考えさせられる。
 自分の国の安全保障のあり方は、自分の国のあり方のはずである。
 まして、「沖縄の懸念を伝えたが、米側は具体的な回答は示さなかった。」なかでは。



 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2017年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。

 2017年8月19・20日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)沖縄タイムス-新基地建設で米が釘「さらなる遅れの回避を」日米2プラス2 嘉手納基地めぐり沖縄の懸念伝達-2017年8月18日 22:35


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「【平安名純代・米国特約記者】日米両政府は17日、米ワシントンの国務省で外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)を開いた。米軍普天間飛行場の辺野古移設が、同飛行場の継続的な使用を回避するための唯一の解決策であると再確認。日本側は、米空軍嘉手納基地の旧海軍駐機場の継続使用やパラシュート降下訓練をめぐる沖縄の懸念を伝えたが、米側は具体的な回答は示さなかった。」
②「協議後の共同記者会見には、河野太郎外相、小野寺五典防衛相、ティラーソン米国務長官、マティス米国防長官が出席した。」
③「河野外相は、『強い決意で辺野古移設を進めていくことを説明した。普天間の全面返還を実現するため、全力で取り組んでいく』と新基地建設計画を推進する方針を強調した。
小野寺防衛相は、『(辺野古)移設工事を確実に進めていく』と改めて表明したうえで、『米軍の運用には安全確保や地元への配慮も不可欠だ』と指摘。『嘉手納飛行場をめぐる問題や米海兵隊オスプレイの飛行について、地元での強い要望を説明し、地元への配慮や安全性の確保をあらためて要請した』と説明した。」
④「関係者によると、小野寺防衛相の嘉手納基地に関する要請に対し、マティス国防長官は『きちんと対応していく』と述べた。ティラーソン国務長官は、辺野古の新基地建設工事の『再開を歓迎する』と述べる一方で、『さらなる遅れが回避されることを望む』とくぎを刺し、工事の遅れを許容しない姿勢を示した。」
⑤「辺野古移設について三氏が言及したものの、マティス国防長官は『2015年の日米防衛協力方針の実施を加速し、日本とグアムで米軍再編を継続していく』と述べるにとどめ、辺野古移設に関する直接的言及はしなかった。」


(2)沖縄タイムス-日米2プラス2:「民意顧みず むなしい」 翁長知事、両政府へ不満-2017年8月19日 09:25


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「翁長雄志知事は18日、外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会で、名護市辺野古の新基地建設について『普天間飛行場の継続的な使用を回避するための唯一の解決策』と確認したことに『県民の民意を顧みないことに憤りを通り越して、むなしさを禁じ得ない』とコメントした。」
②「12日の県民大会では、主催者発表で4万5千人が集まり、新基地建設断念を求めたと強調し、沖縄側は民意を明確に示し続けていると訴えた。普天間周辺住民の生命・財産を守ることを最優先にするなら、同飛行場の5年以内の運用停止と、県外移設に取り組むべきだと求めた。またパラシュート降下訓練や旧海軍駐機場使用が問題になった嘉手納飛行場を巡っては、日本側の要望にもかかわらず、米側が一切触れず、共同発表にも明記されなかったと指摘。」
③「日米両政府の責任で『県民の不安の払(ふっ)しょく、基地負担の軽減を確実に実現すべきである』との考えを示した。夏季休暇中の翁長知事が基地対策課を通じて、発表した。」


(3)琉球新報-機動隊員、排除で暴言か 辺野古で抗議の今治市議に 県警は否定-2017年8月19日 07:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設で、社民党自治体議員団全国会議(高田良徳議長)の議員や市民ら約80人が18日、辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前に座り込み、新基地建設に抗議した。」
②「同会議の山岡健一今治市議によると、機動隊員が議員らを排除した際、山岡氏に『クソが』と発言したという。県警は取材に対し『発言は確認されていない』と否定した。」
③「海上では沖縄防衛局がシュワブ内の『N5護岸』建設予定地付近で砕石を設置するなどして、仮設道路工事を進めた。クレーンで付近の浜辺にコンクリートブロックを複数並べ、17日までに浜辺に運んでいた汚濁防止膜をコンクリートブロックにつなげる作業も確認された。市民らは抗議船3隻とカヌーで抗議した。」
④「山岡氏は3人の機動隊員にごぼう抜きされ、足を持っていた隊員が『クソが』発言したという。山岡氏は『以前、(東村高江で大阪府警の機動隊員による)【土人】発言もあったが、心ない警官もいるんだなと思った。言葉の暴力だ』と憤った。」
⑤「同会議は研修で来県している。高田議長は『新基地建設は盗んだ車を【新車にしろ】と言っているようなものだ。全国の問題として考えないといけない。各地域に帰って運動を広げたい』とあいさつした。」


(4)琉球新報-仮設道路、工事進む 辺野古新基地-2017年8月19日 06:30


 琉球新報は、「普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で、米軍キャンプ・シュワブ内の作業ヤードの様子や辺野古崎西側の『N5護岸』と『K1護岸』の建設予定地付近に整備される仮設道路工事の進捗(しんちょく)状況が18日、小型無人機を用いた本紙の取材で明らかになった。」、と報じた。
 また、「シュワブ内の辺野古崎にある作業ヤードには山積みされた砕石のまとまりが少なくとも5カ所あった。袋詰めにされた採石も多数確認された。K9護岸は沖に向かって約100メートル延び、先端まで消波ブロックが並べられていた。」、と報じた。
 さらに、「新基地建設に反対する土木技術者の男性は、仮設道路の進捗状況について『沖縄防衛局の計画通りに工事は進んでいるようだ。このまま進めば、9月ごろにはK1護岸とN5護岸の本体工事に着手する可能性がある』」と話している。」、と伝えた。


(5)琉球新報-米軍 報告書を黒塗り 調査結果や勧告 うるま沖ヘリ墜落-2017年8月20日 08:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「琉球新報は19日までに、2015年8月にうるま市沖の米海軍艦船に米陸軍特殊作戦用MH60ヘリが墜落した事故の米軍報告書197ページ全文を入手した。米軍の調査結果やそれに対する勧告、事故調査委員会(事故調)の分析、機長ら乗組員らの証言、機体残骸の様子など、事故の真相を知るために必要な情報のほとんど全てが分からないように『黒塗り』にされている。当時実施していた特殊作戦訓練の内容についても全てが不開示だった。米軍の情報開示に対する消極姿勢に批判が集まるのは必至だ。」
②「04年の米軍ヘリ沖国大墜落事故で、イラク戦争への派遣に備えるため整備兵が無理な長時間勤務を強いられていた実態が盛り込まれた事故報告書とは、開示姿勢が全く異なる。」
③「防衛省が18日、本紙取材に対し報告書を公表した。同省によると、『黒塗り』は米側が情報公開用に施した報告書を日本側に提供したという。事故後の『勧告』も全て黒塗りだが、日本政府が17日に報告書の概要を公表した際に説明した再発防止策については、報告書を受けて日本側が米軍側に問い合わせてまとめた。報告書は『米陸軍機事故の技術的報告書』で文中では事故を『墜落』と表現している。(1)事故概要(2)事故調(3)事故前後の状況説明と事故調の分析(4)乗組員証言(5)事故直後の艦上分析結果(6)個人データ(7)けがの具合-などで構成する。」
④「『調査結果』は七つに分かれて報告しているが全て黒塗り。それに対応する『勧告』も表題以外全て不開示。事故機のヘリとしての一般的な性能や当日どのような飛行をして事故を起こしたかの経緯は読めるようになっているが、それを受けた事故調の『分析』となるとまた黒塗りだ。」
⑤「訓練の内容に関連して、米陸軍特殊作戦航空司令部の訓練プログラムの乗員マニュアルも添付されているが、全て黒塗りされている。事故機には陸上自衛隊中央即応集団(神奈川)所属の隊員2人も「研修」名目で同乗していたが、2人を含め機長や乗組員らの名前も伏せられている。事故概要では『艦船の甲板に強制的に着陸し、機体はかなりの損傷を受けた』と説明、最も重大な『クラスA』と分類した。『4人の乗組員と3人の搭乗者が負傷した』と説明している。」
⑥「事故調の勧告は16年9月27日付で、米陸軍特殊作戦司令部の司令官がサインし承認した。日本政府によると、日本側には17年4月に提供された。一般には8月17日に概要が公表された。」(滝本匠、仲村良太)


(6)琉球新報-基地の県外移設 議論へ 社民全国議員団が初可決-2017年8月20日 07:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「社民党(吉田忠智党首)は那覇市内で開いた自治体議員団全国会議夏季研修会の最終日の19日、全国会議としては初めて在沖米海兵隊の撤退を要求し、県外・国外移転について議論を始めることを盛り込んだ決議を全会一致で可決した。社民所属の全国の議員が『沖縄の基地引き取り』に一歩、踏み込んだ格好だ。今後、社民党の方針として位置付けるか党内で議論していく。」
②「決議文は『私たちは在沖米海兵隊の役割について合理性の有無を考察し、米軍基地が経済発展の阻害要因になっていることを学んだ。政府が振りかざす【辺野古唯一論】がいかに合理性を欠くか明らかになった』と指摘している。その上で『(沖縄の)民意は、在沖米海兵隊の県外・国外移転がなされることで解決できる。一地域への過重な負担に対する合理的な解決策と言える』として在沖海兵隊の県外・国外移転の議論を本格化させることを掲げた。」
③「決議に先立ち、吉田党首が講演し『憲法が最も生かされていない沖縄で、憲法をいかに生かしていくかが問われている。憲法を生かす政治こそが安倍政治への対案だ』と語った。」


(7)沖縄タイムス-見えぬ解決策 嘉手納の旧駐機場・降下訓練 地元の不安は共有止まり【深掘り】-2017年8月19日 19:02


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「米軍嘉手納基地でのパラシュート降下訓練や旧海軍駐機場の運用の問題について、日米の外務・防衛担当閣僚が日米安全保障協議委員会(2プラス2)で協議はしたものの、『地元の懸念』を共有するにとどまった。日米合意の認識の食い違いを埋めることができたのか、今後どう運用していくのか-。翁長雄志知事や地元首長が求めた『解決』の具体策は見えない。」(東京報道部・大城大輔、米国特約記者・平安名純代、政経部・大野亨恭)
②「小野寺五典防衛相は、沖縄関連でこう切り出したという。14日に会談した翁長知事との「約束」を守り、米側に懸念を伝えた形だ。マティス国防長官は『沖縄は重要な拠点で、地元と良好な関係を維持することは重要だ。きちんと問題に対処していく』と応じた。両者には、地元への配慮を示すことで、安定的な駐留を図りたい思惑がにじむ。米側には『抗議』というよりも、むしろ日米が今後も沖縄の基地を共同で使っていくための『協力要請』にも映ったという。日本政府関係者は『安定的駐留のためにも、SACO合意の根本のところで、ボタンの掛け違いがあるのはよくない』と話す。一方で、別の関係者は米軍の訓練に関わる問題で『いきなり政治決着できるような話ではない』とも語り、運用を巡る問題は不透明感が漂う。」
③「『日米両政府はわれわれがあそこまで踏み込んだ理由を本当に理解しているのか』。県幹部は、2プラス2での嘉手納問題への言及を一定評価した上で、政府への不満を口にした。幹部が指摘するのは、嘉手納基地の運用を巡り県と三連協が合同で国へ抗議した際の要請文に盛り込んだ『嘉手納基地の使用、安全保障体制に影響を与える可能性がある』との部分だ。日米安保体制を容認する翁長知事にとり、嘉手納基地の運用や安保体制に踏み込めば『革新色が強まる』(県関係者)として、日頃から言及を避けているテーマだ。だが、目に余る運用を止めるために、あえて踏み込んだ。」
④「日米両政府は沖縄に『配慮』する姿勢を見せたが、運用の見直しなどの『結果』は示されなかった。県幹部は落胆した様子でこう語る。『一気に解決するのが難しいことは分かっているが、せめて強い態度で抗議してほしかった』」


(8)沖縄タイムス-【解説】辺野古移設の進展、米は注視 日米2プラス2-2017年8月19日 17:17


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場の返還問題を巡り、トランプ政権下で初めて開かれた外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)では、辺野古移設を推進する方針が再確認されたものの、米側は具体的な協議には踏み込まなかった。ティラーソン米国務長官は協議後の共同記者会見で、さらなる遅れを回避するよう促し、日本側の今後の対応を注視する姿勢を示した。」
②「共同記者会見では、河野太郎外相、小野寺五典防衛相、ティラソーン長官が辺野古移設の推進を明言する一方で、マティス国防長官は辺野古への直接的言及は避けた。」
③「現行の日米合意は、普天間の返還時期を『2022年度またはその後』と定めているが、辺野古移設に反対する沖縄県と日本政府との訴訟に伴い遅れが生じており、米側では移設は事実上、26年にずれ込むとの認識が広まっている。」
④「複数の米政府筋によると、ハリス米太平洋軍司令官やネラー海兵隊総司令官らは、米議会の突き上げを懸念。日米両政府で返還時期を更新し、公表するのが好ましいなどとマティス長官側に進言していたが、県が日本政府を提訴した辺野古工事差し止め訴訟の行方など今後の展開が不透明なことから、日米間における調整が見送られた。」
⑤「2013年に日米ガイドラインの見直しを図った小野寺氏が防衛相となったこともあり、マティス氏は『まずは相手の出方を見てみよう』と決め込んだ。4閣僚が出席した共同記者会見では、河野外相は『強い決意で辺野古移設を進めていくことを説明した』、小野寺防衛相は『(辺野古)移設工事を確実に進めていく』と移設計画を前進させる意欲を示した。」
⑥「米側は、米国防総省の主導で、普天間の返還や移設時期の見直しを具体化させていく方針だ。」(平安名純代・米国特約記者)


(9)沖縄タイムス-対応迫られる防衛局 辺野古新基地、地盤改良を検討 翁長知事の承認必要に-2017年8月20日 12:50


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡り、沖縄防衛局が工法の変更を迫られている。当初、海上に設置予定だった3カ所の作業ヤード造成を取りやめ、既に終えたはずのボーリング調査を19カ所追加して実施する計画も明らかになった。政府は知事の承認が必要な地盤改良を検討しており、仮に護岸工法を変えればさらに知事の許可が必要になる。工事の先行き自体が不透明になる可能性がある。」(政経部・大野亨恭)
②「海上作業ヤードは、防衛局が2016年12月と17年3月に作成した設計変更書で、取りやめになったことが明らかになった。防衛局は38基のケーソンを設置する計画で、既に製造を発注済み。海上ヤードが取りやめになれば、置き場がない状態となる。仮に、ケーソン護岸の工法を見直すことになれば、防衛局は知事の許可が必要な設計変更申請を迫られる可能性があり、工事の先行きは見通せなくなる。防衛局は本紙取材に、取りやめを認めた上で、『今後については検討中』と述べるにとどめている。」
③「また、ここへ来てボーリング調査の再実施も明らかになった。調査は護岸の設計に必要なデータを得る目的で、当初は14年8月から3カ月で終わらせる予定だった。しかしその後、幾度も工期を延期、昨年3月には辺野古を巡る訴訟の和解を受け、24地点中1カ所を残して作業を中断した。違法確認訴訟の確定判決が出た昨年12月に再開すると、大型調査船『ポセイドン1』を投入。防衛局によると12月以降、34地点を追加調査した。滑走路の液状化や地盤沈下などを防ぐための地盤改良に必要な地盤データを収集していたとみられ、さらなる追加調査が必要だと判断したもようだ。」
④「沖縄市民連絡会の北上田毅さんは『14年から3年間かけても必要なデータが得られておらず、基礎地盤の問題は深刻だ』と指摘。海上作業ヤードが取りやめになったこととボーリング調査の追加実施の意味合いについて『護岸工法の大幅な変更を余儀なくされている可能性があり、防衛局は大きな壁にぶつかっている』と話した。」


(10)沖縄タイムス-米軍基地環境調査:「環境汚染」うやむやに ブラックボックス化を危惧-2017年8月20日 12:31


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「全国の米軍施設・区域内での環境モニタリング調査が2014年度以降、できなくなっている問題で、識者は加速するフェンス内側の“ブラックボックス化”を危惧する。」
②「環境省によると、調査は『米軍施設は日本の環境法令が適用されないため、環境調査で得たデータに基づく米側への申し入れを定期的に行い、環境汚染の未然防止を図る』目的で実施。現に最後の開催となった13年度の担当者会議では、12年度調査で奥間レストセンター内の下水処理施設近くの地点で排水基準値の約4倍に当たる大腸菌群数が検出され、米軍が改善策を講じたと確認された。」
③「情報開示請求した『インフォームド・パブリック・プロジェクト(IPP)』の河村雅美代表は『米軍基地内での調査ができなくなったために、汚染が見つかっても基地由来と直ちに認めさせることが難しくなった。当初の目的が達せられていない』と指摘。『このままでは沖縄がこの問題に消極的とのメッセージを送りかねず、県は今からでも渉外知事会などで全国的な議論として共有すべきだ』と提言した。」
④「日米安全保障論に詳しい沖縄国際大学の前泊博盛教授は『返還時の原状回復義務が米側に課されない現行の日米地位協定下で、基地内でのモニタリング調査は非常に重要な意味を持っていた。米軍基地も国土。汚染されないよう監視・管理すべきで、主権国家として当然の権利だ』と強調。『日米合同委員会での議論と決定の多くが非開示で、国民に見えないところで国民の生命財産を脅かし、権利を譲歩する取り決めがなされかねない』と懸念する。」
⑤「米側の情報開示に後ろ向きな姿勢は今回に限らず『12年に四軍別の在沖米軍関係者数と基地外居住者の市町村別数、14年には基地外居住者数も非公表になった。ブラックボックス化が進み、私たちは客観的な数字がないまま基地問題を議論せざるを得なくなりつつある』と警鐘を鳴らした。」


(11)沖縄タイムス-辺野古新基地:アメリカの労働組合が建設反対決議へ-2017年8月20日 12:05


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「【平安名純代・米国特約通信員】辺野古に新基地を造らせないオール沖縄会議の第2次訪米団(団長・伊波洋一参院議員)は18日(米国時間)、米カリフォルニア州アナハイム市で開幕したアジア・太平洋アメリカ人労働連合(APALA)25周年大会総会に参加し、会場にブースを設置して新基地建設を巡る現状を訴えた。同総会では、19日に辺野古、高江の新基地建設反対を支援する決議が採択される見通し。」
②「訪米団は計21人。17日には4チームに分かれ、現地の平和団体との交流や米軍基地視察、米下院議員らへの要請活動を始めた。」
③「吉川秀樹さんら環境問題専門家らのチームは同日、ジュゴン訴訟を担当するサラ・バート弁護士と面談。18日には、国連特別報告者のデービッド・ケイ氏と面談した。伊波団長らは17日、マーク・タカノ米下院議員と面談。糸数慶子参院議員らは、平和を願う元軍人の会『ベテランズ・フォー・ピース(VFP)』のメンバーらと在沖米軍基地反対や平和を訴える『「ピースアクション』に参加。比嘉京子県議らのチームは、元北米県人会長でマーチ空軍予備基地の元環境保全官の国吉信義さんの案内で、同基地を視察した。」


(12)沖縄タイムス-軍基地内の環境調査、2014年から中断 国は理由答えず-2017年8月20日 12:20


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「沖縄を含む全国の米軍施設などで環境省が1978年から毎年実施する環境モニタリング調査で、基地内の立ち入りが2014年度以降、認められなくなっていたことが19日、調査団体『インフォームド・パブリック・プロジェクト(IPP)』の情報開示請求で分かった。米側の意向とみられるが、環境省は『日米間の調整の結果で答えられない』とし、県内の調査を委託する県にも具体的な理由を説明していない。基地内の水質などを定期的に把握して異変を察知できる唯一の機会を失った格好で、県は立ち入りを再開するよう求めている。」(社会部・篠原知恵)
②「環境調査は、基地内の環境汚染を防ぐため全国で実施。基地内で最後の調査となった13年度は、県内で普天間飛行場や嘉手納飛行場など8施設・区域の計21地点が対象だった。年に1~2度、約半年かけて県が基地内の汚水処理施設や排水溝で水質を、環境省がボイラー施設でばいじんなどの大気質を調べ、環境基準に適合しているか確認した。だが、日米合同委員会の下部組織・環境分科委員会で基地内立ち入り調査の計画が却下された14年度以降、県は基地周辺の河川などでサンプルを採らざるを得なくなった。環境省を通し継続調査を求めているが、認められていない。また、大気質調査は中断。結果を基に基地内の環境保全策を協議し、基準超過があれば対策を申し入れていた米軍関係者との担当者会議も開かれなくなった。」
③「環境分科委メンバーでもある環境省水・大気環境局は本紙に『日米間の調整の結果、基地周辺での調査に変更した。どういう場でどんな議論があったかを含めて答えられない』と説明。県環境保全課は『基地内を含め県全体の環境をモニタリングするのが県の役目で、非常に重要な調査だ』」としている。」
④「IPPの河村雅美代表は『基地内で定期的に調査できる権利を奪われたことが3年以上、国からも県からも県民に知らされていない。従来通りの文化財調査が認められなくなった15年の環境補足協定も含め、アクセスが制限され続けていることは問題』と語った。」




# by asyagi-df-2014 | 2017-08-20 19:13 | 沖縄から | Comments(0)

2017年。広島市平和宣言、長崎市平和宣言を読む。

 大田昌秀さんが沖縄県知事の頃、沖縄から日本を見るということで、沖縄県(6月23日)、広島市(8月6日)、長崎市(8月9日)の平和宣言を比べてみていた時期がありました。それは、あくまで沖縄の視点からの日本批判ということだけでなく、自民党為政者への批判という視点が大きいものでした。
 2017年の今、政治状況は大きな変動を見せました。
 安倍晋三政権が日本政治を牛耳っているのですから。
 あらためて、日本のこれからを見つめ直すという視点の中で、広島市と長崎市の平和宣言を考えます。


Ⅰ.広島市平和宣言宣言-2017年8月6日(以下、広島宣言)


 広島宣言は、最初に、「皆さん、72年前の今日、8月6日8時15分、広島の空に「絶対悪」が放たれ、立ち昇ったきのこ雲の下で何が起こったかを思い浮かべてみませんか。」、と投げかけます。
そして、「それ故、皆さんには是非(ぜひ)とも、被爆者の声を聞いてもらいたいと思います。」、と次のように続けます。


(1)15歳だった被爆者は、「地獄図の中で亡くなっていった知人、友人のことを偲(しの)ぶと、今でも耐えられない気持ちになります」と言います。そして、「一人一人が生かされていることの有難(ありがた)さを感じ、慈愛の心、尊敬の念を抱いて周りに接していくことが世界平和実現への一歩ではないでしょうか」と私たちに問い掛けます。
(2)17歳だった被爆者は、「地球が破滅しないよう、核保有国の指導者たちは、核抑止という概念にとらわれず、一刻も早く原水爆を廃絶し、後世の人たちにかけがえのない地球を残すよう誠心誠意努力してほしい」と語っています。


 この上で、広島宣言は、「皆さん、このような被爆者の体験に根差した『良心』への問い掛けと為政者に対する『誠実』な対応への要請を我々のものとし、世界の人々に広げ、そして次の世代に受け渡していこうではありませんか。」、と世界に向けて訴えます。
 また、被爆者の声をを活かすために、次のように為政者に向けて訴えを続けます。


(1)為政者の皆さんには、特に、互いに相違点を認め合い、その相違点を克服するための努力を「誠実」に行っていただきたい。また、そのためには、核兵器の非人道性についての認識を深めた上で、自国のことのみに専念して他国を無視することなく、共に生きるための世界をつくる責務があるということを自覚しておくことが重要です。
(2)市民社会は、既に核兵器というものが自国の安全保障にとって何の役にも立たないということを知り尽くし、核を管理することの危うさに気付いてもいます。核兵器の使用は、一発の威力が72年前の数千倍にもなった今、敵対国のみならず自国をも含む全世界の人々を地獄へと突き落とす行為であり、人類として決して許されない行為です。そのような核兵器を保有することは、人類全体に危険を及ぼすための巨額な費用投入にすぎないと言って差し支えありません。
(3)今や世界中からの訪問者が年間170万人を超える平和記念公園ですが、これからもできるだけ多くの人々が訪れ、被爆の実相を見て、被爆者の証言を聴いていただきたい。そして、きのこ雲の下で何が起こったかを知り、被爆者の核兵器廃絶への願いを受け止めた上で、世界中に「共感」の輪を広げていただきたい。特に、若い人たちには、広島を訪れ、非核大使として友情の輪を広げていただきたい。広島は、世界の人々がそのための交流をし、行動を始める場であり続けます。
(4)その広島が会長都市となって世界の7400を超える都市で構成する平和首長会議は、市民社会において世界中の為政者が、核兵器廃絶に向け、「良心」に基づき国家の枠を超えた「誠実」な対応を行えるような環境づくりを後押ししていきます。


 2017の広島宣言は、やはり、「絶対悪」である核兵器に関する核兵器禁止条約について触れざるを得ませんでした。
 それが、「核兵器禁止条約の締結促進を目指して核保有国と非核保有国との橋渡しに本気で取り組んでいただきたい。」、という中途半端な表現だとしても。また、核兵器禁止条約が被爆者達の血の滲む結果であるにもかかわらず、そのことに触れられないとしてもである。


(1)今年7月、国連では、核保有国や核の傘の下にある国々を除く122カ国の賛同を得て、核兵器禁止条約を採択し、核兵器廃絶に向かう明確な決意が示されました。こうした中、各国政府は、「核兵器のない世界」に向けた取り組みを更に前進させなければなりません。
(2)特に、日本政府には、「日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓う」と明記している日本国憲法が掲げる平和主義を体現するためにも、核兵器禁止条約の締結促進を目指して核保有国と非核保有国との橋渡しに本気で取り組んでいただきたい。
(3)平均年齢が81歳を超えた被爆者をはじめ、放射線の影響により心身に苦しみを抱える多くの人々に寄り添い、その支援策を一層充実するとともに、「黒い雨降雨地域」を拡大するよう強く求めます。


 
 最後に、広島宣言は、「私たちは、原爆犠牲者の御霊(みたま)に心からの哀悼の誠を捧げ、世界の人々と共に、「絶対悪」である核兵器の廃絶と世界恒久平和の実現に向けて力を尽くすことを誓います。」、と自らの決意を示して宣言を締めます。



Ⅱ.長崎市平和宣言-2017年8月9日(以下、長崎宣言)


長崎宣言は、核兵器禁止条約の成立を、「ヒロシマ・ナガサキ業約」について、次のように高らかに謳い上げています。


 「ノーモア ヒバクシャ」
  この言葉は、未来に向けて、世界中の誰も、永久に、核兵器による惨禍を体験することがないように、という被爆者の心からの願いを表したものです。その願いが、この夏、世界の多くの国々を動かし、一つの条約を生み出しました。
 核兵器を、使うことはもちろん、持つことも、配備することも禁止した「核兵器禁止条約」が、国連加盟国の6割を超える122か国の賛成で採択されたのです。それは、被爆者が長年積み重ねてきた努力がようやく形になった瞬間でした。
 私たちは「ヒバクシャ」の苦しみや努力にも言及したこの条約を「ヒロシマ・ナガサキ条約」と呼びたいと思います。そして、核兵器禁止条約を推進する国々や国連、NGOなどの、人道に反するものを世界からなくそうとする強い意志と勇気ある行動に深く感謝します。


 だからこそ、次のように続けます。


(1)しかし、これはゴールではありません。今も世界には、15,000発近くの核兵器があります。核兵器を巡る国際情勢は緊張感を増しており、遠くない未来に核兵器が使われるのではないか、という強い不安が広がっています。しかも、核兵器を持つ国々は、この条約に反対しており、私たちが目指す「核兵器のない世界」にたどり着く道筋はまだ見えていません。ようやく生まれたこの条約をいかに活かし、歩みを進めることができるかが、今、人類に問われています。
(2)核兵器を持つ国々と核の傘の下にいる国々に訴えます。安全保障上、核兵器が必要だと言い続ける限り、核の脅威はなくなりません。核兵器によって国を守ろうとする政策を見直してください。核不拡散条約(NPT)は、すべての加盟国に核軍縮の義務を課しているはずです。その義務を果たしてください。世界が勇気ある決断を待っています。


 そして、日本政府に、訴えます。そのあり方を批判の視点の中で。


(1)核兵器のない世界を目指してリーダーシップをとり、核兵器を持つ国々と持たない国々の橋渡し役を務めると明言しているにも関わらず、核兵器禁止条約の交渉会議にさえ参加しない姿勢を、被爆地は到底理解できません。唯一の戦争被爆国として、核兵器禁止条約への一日も早い参加を目指し、核の傘に依存する政策の見直しを進めてください。日本の参加を国際社会は待っています。
(2)二度と戦争をしてはならないと固く決意した日本国憲法の平和の理念と非核三原則の厳守を世界に発信し、核兵器のない世界に向けて前進する具体的方策の一つとして、今こそ「北東アジア非核兵器地帯」構想の検討を求めます。


 長崎宣言は、世界へ向けて市民の声を発信しています。


(1)私たちは決して忘れません。1945年8月9日午前11時2分、今、私たちがいるこの丘の上空で原子爆弾がさく裂し、15万人もの人々が死傷した事実を。
(2)あの日、原爆の凄まじい熱線と爆風によって、長崎の街は一面の焼野原となりました。皮ふが垂れ下がりながらも、家族を探し、さ迷い歩く人々。黒焦げの子どもの傍らで、茫然と立ちすくむ母親。街のあちこちに地獄のような光景がありました。十分な治療も受けられずに、多くの人々が死んでいきました。そして72年経った今でも、放射線の障害が被爆者の体をむしばみ続けています。原爆は、いつも側にいた大切な家族や友だちの命を無差別に奪い去っただけでなく、生き残った人たちのその後の人生をも無惨に狂わせたのです。
(3)世界各国のリーダーの皆さん。被爆地を訪れてください。 遠い原子雲の上からの視点ではなく、原子雲の下で何が起きたのか、原爆が人間の尊厳をどれほど残酷に踏みにじったのか、あなたの目で見て、耳で聴いて、心で感じてください。もし自分の家族がそこにいたら、と考えてみてください。
(4)人はあまりにもつらく苦しい体験をしたとき、その記憶を封印し、語ろうとはしません。語るためには思い出さなければならないからです。それでも被爆者が、心と体の痛みに耐えながら体験を語ってくれるのは、人類の一員として、私たちの未来を守るために、懸命に伝えようと決意しているからです。
(5)世界中のすべての人に呼びかけます。最も怖いのは無関心なこと、そして忘れていくことです。戦争体験者や被爆者からの平和のバトンを途切れさせることなく未来へつないでいきましょう。
(6)今、長崎では平和首長会議の総会が開かれています。世界の7,400の都市が参加するこのネットワークには、戦争や内戦などつらい記憶を持つまちの代表も大勢参加しています。被爆者が私たちに示してくれたように、小さなまちの平和を願う思いも、力を合わせれば、そしてあきらめなければ、世界を動かす力になることを、ここ長崎から、平和首長会議の仲間たちとともに世界に発信します。そして、被爆者が声をからして訴え続けてきた「長崎を最後の被爆地に」という言葉が、人類共通の願いであり、意志であることを示します。


 長崎宣言は、福島原発事故の被災者を念頭に入れながら、このように結びます。


 被爆者の平均年齢は81歳を超えました。「被爆者がいる時代」の終わりが近づいています。日本政府には、被爆者のさらなる援護の充実と、被爆体験者の救済を求めます。
 福島の原発事故から6年が経ちました。長崎は放射能の脅威を経験したまちとして、福島の被災者に寄り添い、応援します。
 原子爆弾で亡くなられた方々に心から追悼の意を捧げ、私たち長崎市民は、核兵器のない世界を願う世界の人々と連携して、核兵器廃絶と恒久平和の実現に力を尽くし続けることをここに宣言します。



 さて、核兵器禁止条約とは、実は、広島からの「このような地獄は、決して過去のものではありません。核兵器が存在し、その使用を仄(ほの)めかす為政者がいる限り、いつ何時、遭遇するかもしれないものであり、惨(むご)たらしい目に遭うのは、あなたかもしれません。」や長崎からの「私たちは決して忘れません。1945年8月9日午前11時2分、今、私たちがいるこの丘の上空で原子爆弾がさく裂し、15万人もの人々が死傷した事実を。」、との声に真摯に向き合ったことから生まれたものでした。
 しかし、このことが理解できない安倍晋三政権には、日本国憲法からの問い掛けとして、次の疑問が呈されています。


 安倍晋三政権は、広島からの「日本政府には、『日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓う』と明記している日本国憲法が掲げる平和主義を体現するためにも、核兵器禁止条約の締結促進を目指して核保有国と非核保有国との橋渡しに本気で取り組んでいただきたい。」、という切なる訴えを取り入れることができるか。また、「絶対悪」である核兵器の廃絶と世界恒久平和の実現に、真摯に向き合うことができるのか。
 長崎からの「二度と戦争をしてはならないと固く決意した日本国憲法の平和の理念と非核三原則の厳守を世界に発信し、核兵器のない世界に向けて前進する具体的方策の一つとして、今こそ『北東アジア非核兵器地帯』構想の検討を求めます。」、との投げかけにきちんと対することができるのか。


 広島宣言は、長崎宣言は、地獄を見たものの声から出発して、世界の真の平和を自らの手で作り上げていく覚悟を発信しています。
繋がることができるのは、広島や長崎から見る未来です。
今、必要なことは、次の長崎からの発信を自らの発信とすることです。


 人はあまりにもつらく苦しい体験をしたとき、その記憶を封印し、語ろうとはしません。語るためには思い出さなければならないからです。それでも被爆者が、心と体の痛みに耐えながら体験を語ってくれるのは、人類の一員として、私たちの未来を守るために、懸命に伝えようと決意しているからです。
 世界中のすべての人に呼びかけます。最も怖いのは無関心なこと、そして忘れていくことです。戦争体験者や被爆者からの平和のバトンを途切れさせることなく未来へつないでいきましょう。




# by asyagi-df-2014 | 2017-08-20 07:18 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

沖縄タイムスの「不条理の連鎖」を読む。(3)

 沖縄タイムスは、2017年8月9日より、【不条理の連鎖】、という特集を組んだ。
 沖縄タイムスには、「12日午後2時から、那覇市の奥武山公園陸上競技場で辺野古新基地建設中止を政府に求める県民大会が開かれる。昨年から今年にかけてあった米軍絡みの事件事故を振り返り、新基地に対する地元住民や関係者の声を聞いた。」、と記されていた。
この【不条理の連鎖】を読む。


 第3回目は、「辺野古新基地は「負の遺産」 その存在、同世代に問いたい【不条理の連鎖・3】」、と表され、次のように報告した。


(1)公開捜査から1週間がたった2016年5月19日、4月下旬から行方不明になっていた沖縄県うるま市の女性の遺体が、恩納村安富祖の雑木林で見つかった。県警は遺体を遺棄した疑いで、元米海兵隊員で軍属の男を逮捕。殺人と強姦致死の容疑でも再逮捕・起訴された。県民は深い悲しみと強い憤りを感じ、6月に開かれた県民大会には6万5千人(主催者発表)が結集した。
(2)ニュースで逮捕の一報を知ったオール沖縄会議共同代表の玉城愛さん(22)は、同年代で同じうるま市に住む女性の命が奪われ、「怖さや怒りというよりも言葉にならない感情があふれ、体が震えた」と振り返る。
(3)ウオーキング中の女性が襲われた市内の犯行現場周辺は生活圏内で、恩納村安富祖の遺棄現場の前を通る県道104号は、自宅から大学までの通学路だった。「根本には基地があるゆえに起きた事件だ」と実感し、「自分たちに何ができるか」を真剣に考えた。
「いつまで私たち県民はばかにされるのか」「再発防止や綱紀粛正などという使い古された幼稚で安易な提案は意味を持たず、軍隊の本質から目をそらす貧相なもの」。県民大会では強い口調で語った。日米両政府に突き付けたその言葉には「女性として、ウチナンチュとしての怒り」を込めた。
(4)事件から1年以上たった今も、米軍関係者による事件事故は後を絶たない。政府は辺野古の新基地建設を強行し、在沖米軍のオスプレイ墜落事故や地元の意に反するパラシュート訓練もあった。「両政府の姿勢は『沖縄の犠牲は当たり前』というように映り、基地に苦しめられる県民実感は変わらない」。同世代の若者から、新基地建設に対する諦めや無関心な声をよく聞くが、「沖縄戦やその後の米軍統治下から続く歴史の中で、若い世代が新基地建設をどう考えていくかが今問われている」と感じる。
(5)12日の県民大会にも登壇する予定。「『子や孫に負の遺産を残さない』という思いを私たちが共有し、基地建設阻止に向けて結束を強めたい」と願う。


 
 今回の報告は、無作為の罪を追求するもの。
 結局、辺野古新基地建設は「負の遺産」。
米軍が日米合作の「運用」というからくりの中で、「重大な事故が起きる危険性を伴う訓練を行っている」ことこそが問題である。
 それは、ある時から、沖縄に基地が置かれ続けることによる。




# by asyagi-df-2014 | 2017-08-19 06:09 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-辺野古 高江-から-2017年8月18日

宜野湾市議会は、MV22オスプレイの飛行中止と事故原因の速やかな究明・公表を求める抗議決議と意見書を、臨時議会で、全会一致で可決した。
この中で、「トラブルが相次いでおり、住民を巻き込む大事故につながるのではないかと、市民に大きな衝撃や不安、恐怖が広がっている」と指摘している。 また、「事故について『墜落』ではなく『衝突落下』と表現」している。



 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2017年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。

 2017年8月18日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-社民党議員らが座り込み 辺野古のシュワブゲート前-2017年8月18日 11:38


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設で、社民党自治体議員団全国会議(高田良徳議長)の議員や市民ら約80人が18日、辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前に座り込み、新基地建設に抗議した。」               ②「同会議は研修で来県している。高田議長は『新基地建設は【盗んだ車を新車にしろ】と言っているようなものだ。全国の問題として考えないといけない。各地域に帰って運動を広げたい』とあいさつした。社民党の福島瑞穂副党首は『どんなことがあっても沖縄の人と一緒に頑張ろう』と呼び掛けた。」
③「午前9時40分ごろから基地内に入ろうとした工事関係車両が足止めされ、渋滞が発生した。市民側は一般車両が通れるよう交通整理を求めたが、県警は応じなかった。午前9時55分ごろから機動隊が議員らを排除し、16台の工事関係車両が基地内に入った。一方、海上では沖縄防衛局がシュワブ内の『N5護岸』建設予定地付近で砕石を投下するなどして、仮設道路工事を進めている。付近の浜辺にコンクリートブロックを複数並べる作業も確認された。市民らは抗議船3隻とカヌー8艇で抗議をしている。」


(2)琉球新報-嘉手納基地、地元の要望言及 2プラス2で日本側-2017年8月18日 12:50


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「【ワシントン=座波幸代本紙特派員】日米両政府が米ワシントンで17日に開いた外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)で、日本側から米軍嘉手納基地の旧海軍駐機場継続使用とパラシュート降下訓練問題を取り上げた。米側から使用中止などの明確な応答はなかった。日米4閣僚による共同記者会見で、米軍普天間飛行場の移設について『普天間の固定化回避には辺野古が唯一の解決策だ』と、名護市辺野古への新基地建設計画の推進をあらためて強調した。共同会見には、河野太郎外相、小野寺五典防衛相、米国のティラーソン国務長官、マティス国防長官が出席した。」
②「小野寺防衛相は『嘉手納飛行場を巡る問題や米海兵隊オスプレイの飛行について、地元での強い要望を説明し、地元への配慮や安全性の確保をあらためて要請した』と説明。河野外相は『嘉手納飛行場を巡るさまざまな問題についても、地元の理解を得るための努力が必要だと指摘した』と述べた。一方、ティラーソン長官は『辺野古の新基地建設の再開を歓迎する。この計画は普天間の継続使用を回避する運用上、政治上、財政上、戦略上の唯一の解決策だ』と従来の見解を強調。マティス長官は沖縄の基地負担の軽減策としてではなく、北朝鮮の脅威への対応に向け『2015年の日米防衛協力指針の実施を加速し、日本とグアムでの米軍再編を継続する』と述べるにとどめた。」
③「また、2プラス2では、北朝鮮の非核化と、弾道ミサイル開発阻止に向け圧力を強化することで一致。北朝鮮のミサイルに対し、防衛能力を向上させる方針でも合意した。」
④「日米4閣僚は米国が『核の傘』を含む抑止力を日本に提供することなどを明記した共同文書を発表した。北朝鮮が米領グアム周辺へ弾道ミサイル発射計画を公表するなど脅威が高まる中、日米同盟を強化し、共同対処する姿勢を打ち出した。」


(3)琉球新報-飛行中止、原因究明求める 宜野湾市議会が抗議決議-2017年8月18日 10:54


 琉球新報は、「米軍普天間飛行場所属のMV22オスプレイのオーストラリア沖墜落を受け、宜野湾市議会(大城政利議長)は18日、臨時会を開き、同型機の飛行中止と事故原因の速やかな究明・公表を求める抗議決議と意見書を全会一致で可決した。普天間飛行場の早期閉鎖・返還と『5年以内の運用停止』実現も要求した。」、と報じた。
 また、「決議と意見書はオスプレイについて昨年12月の墜落や今年6月の2回の緊急着陸に言及し「トラブルが相次いでおり、住民を巻き込む大事故につながるのではないかと、市民に大きな衝撃や不安、恐怖が広がっている」と指摘した。日米地位協定の抜本的改定も訴えた。一方、事故について『墜落』ではなく『衝突落下』と表現した。大城議長と基地関係特別委員会委員らは18日、在沖米海兵隊や在沖米総領事、外務省沖縄事務所、沖縄防衛局に直接、抗議決議・意見書を提出する。」、と報じた。


(4)沖縄タイムス-辺野古推進、文書確認へ 嘉手納問題触れない可能性も 日米2プラス2-2017年8月18日 07:01


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「【平安名純代・米国特約記者】日米両政府は17日午前(日本時間同日夜)、米ワシントンで外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)を開いた。米軍普天間飛行場の名護市辺野古への早期移設を確認する見通し。複数の米政府筋によると、普天間の辺野古移設を巡っては、現行計画が普天間の継続的使用を回避するための唯一の解決策であり、推進していく方針を文書で確認し、協議では踏み込まない見通し。嘉手納基地の旧海軍駐機場の使用問題やパラシュート降下訓練などについては、『日本側から言及がなければ、協議する意向はない』(米政府筋)という。」
②「2プラス2の開催は2015年4月以来で、トランプ政権下では初めて。協議には、日本側から河野太郎外相と小野寺五典防衛相、米側からティラーソン国務長官とマティス国防長官が出席し、終了後に共同記者会見を開き、合意文書を発表する。」
③「協議の主題は、弾道ミサイル発射を重ねる北朝鮮への対応で、対話による外交的解決を目指す一方で、日米の防衛力を強化して圧力を強める方針も確認する。中国やロシアには、北朝鮮への対応の強化を促し、国連安全保障理事会決議を厳格に履行することで、北朝鮮の挑発行動の阻止を図る姿勢を確認する。米国による『核の傘』提供を含めた日本防衛への関与も確認する見通しだ。日本は、集団的自衛権行使を容認した安保関連法を踏まえ、自衛隊の役割拡大を表明するとみられる。」


(5)沖縄タイムス-「父が沖縄出身」最多の45人 フィリピン残留2世、200人が国籍回復-2017年8月18日 11:00


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「戦後、フィリピンに残された残留日本人2世を支援する日本財団とNPO法人『フィリピン日系人リーガルサポートセンター』(東京都)の支援事業で、日本国籍を回復した残留日系2世が200人に達したことが17日、分かった。うち父親が沖縄県出身の残留2世は45人と約23%を占め全国で最多だった。」(社会部・宮里美紀)
②「戦前、フィリピンには最盛期で約3万人が移民し、県内では麻農園の開拓などに約1万7千人が移り住んだ。現地の女性と結婚する男性も多かったが、太平洋戦争での戦死や戦後に父親だけ強制送還されるなど、母や子が取り残される事例が相次いだ。」
③「200人目の戸籍回復者となった赤嶺・オーロラ・ハルコさん(78)も県系2世。県出身の赤嶺亀さんとフィリピン人の母との間に生まれた。戦前、一家は豊かな生活を送っていたが、戦争で母が他界。戦後、三男良一さんを連れて強制送還された亀さんも1年後に死亡。60年代に良一さんがハルコさんらきょうだいを訪ね、交流を持っていたことから戸籍回復が認められた。」
④「同財団の特定事業部国際ネットワークチームの大久保郁子さんは『反日感情の強かったフィリピン社会で孤独に生きた2世にとって、日本の親族とつながることは大きな希望』と語り、『自由移民だったフィリピンの残留日系2世は国からの支援が手薄。政府の支援スピードを上げてほしい』と訴えている。」
⑤「同NPOによると、これまでの総申立件数は264件で、父親の出身地が多い他県は広島27人、熊本26人と続いた。無国籍の残留日系2世は現在約千人。高齢化が進み、約1400人が亡くなったとみられる。」
⑥「国籍回復には、父子関係を証明する証言などが必要。9月26~30日には、同センターなどの支援で日本国籍を回復した残留県系2世の仲地リカルドさん(82)、岸本ヤス子さん(80)が父親の身元や親族につながる手がかりを求めて来沖する予定で、情報提供を呼び掛けている。」


(6)沖縄タイムス-2015年のうるま市沖ヘリ墜落は「操縦士ミス」 米軍の調査報告書-2017年8月18日 06:55


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「防衛省と外務省は17日、2015年8月12日に米陸軍のMH60ヘリコプターが沖縄県うるま市のホワイト・ビーチ水域で墜落した事故の調査報告書を公表した。『機体は問題なく、パイロットの過失が原因』としている。4月12日付で米側から提供された。」
②「報告書によると、MH60は米ワシントンのルイス・マコード合同基地の第160特殊作戦航空部隊第4大隊所属で、ロープを使った降下訓練を実施していた。事故機は米海軍艦艇『レッド・クラウド』の船体左側から船首上空へ移動した際に、高さ6メートルの位置でメインの回転翼が船首部分のはしごに接触して、甲板上に『不時着艦した』という。乗員17人中、7人が負傷。機体は「壊滅的な構造上の損傷」を受け、損害額は約37億円だった。」
③「事故原因は『操縦士が機体を移動させようとした際に操作手順を誤ったことによるもの』と結論づけ、機体自体に事故につながる要因は『確認されなかった』とした。」
④「再発防止策として事故直後に、訓練に参加した残り2機の4日間の運用停止と整備などをしたほか、司令官が必要に応じて操縦士の飛行認可の一時停止や取り消しをした上で、再訓練を命ずることなどを決めたという。」


(7)沖縄タイムス-【沖縄・米軍属事件】弁護側、責任能力争わず 心神喪失の証拠集まらず-2017年8月18日 05:00


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「昨年4月にうるま市で起きた女性暴行殺害事件で、殺人や強姦(ごうかん)致死などの罪で起訴された元米海兵隊員の軍属(33)の弁護側は17日までに、被告の刑事責任能力を争わない方針を固めた。那覇地裁への精神鑑定請求も行わない。犯行時に、善悪の判断ができない心神喪失や耗弱状態だったことを証明する有力な証拠が集まらなかった。」
②「弁護側は起訴されている強姦致死と死体遺棄の両罪は認める一方、犯行時に殺意がなかったことなどを理由に殺人罪の成立は争う方針。公判では殺意の有無が大きな争点となる見通し。弁護側は、被告にうつ病の病歴があり、少年時には米国内で注意欠陥多動性障害(ADHD)とも診断されたことなどを理由に、刑事責任能力を争う準備を進めてきた。しかし弁護側によると、うつ病や注意欠陥多動性障害と診断されたのは犯行時から10年以上前で、弁護側は当時被告を診察した医師の診断書を取り寄せたものの、犯行時の精神状態に与えた影響を直接証明する資料は集め切れていない。」
③「弁護人の高江洲歳満弁護士は『手持ちの資料では、犯行時に心神喪失・耗弱だったという主張はできないとの結論に達した』と説明。一方で『地裁が量刑を判断する際、病歴や診断歴を考慮してもらうよう主張する』と述べた。」
④「那覇地検は昨年6月9日に、被告を死体遺棄罪で起訴。同月30日に殺人と強姦致死の両罪で追起訴した。被告は裁判員裁判で審理される。」




# by asyagi-df-2014 | 2017-08-18 18:16 | 沖縄から | Comments(0)

本からのもの-「【基地移設問題】『沖縄の米軍基地を本土へ』広がる引き取り運動」

著書名;週刊女性PRIME「【基地移設問題】『沖縄の米軍基地を本土へ』広がる引き   取り運動」
著作者:樫田秀樹
出版社;週刊女性


 週刊女性PRIMEは2017年8月9日、「【基地移設問題】『沖縄の米軍基地を本土へ』広がる引き取り運動」、との記事を掲載した。
沖縄の米軍基地を、沖縄県外に移設する運動が動き出している。
樫田秀樹(以下、樫田)は、この状況を、「沖縄の米軍基地を『本土』に引き取る─。実に刺激的なフレーズだが、この実現を目指す市民運動が今、全国5か所で展開されている。2015年の大阪を皮切りに、同年に福岡と長崎、’16年に新潟、そして今年の東京と同時発生的に立ち上がった。」、と描写する。
 また、樫田は、この運動の目的を、「引き取る・大阪」の松本亜季の言葉として、「日本人が沖縄に押しつけてきた差別を解消したい。国民の約9割が日米安保体制の維持が望ましいと考えています。つまり米軍駐留を肯定しているのに、それを沖縄だけに押しつけ、自分のところには来るなという状況を変えたいんです」、と紹介する。
 樫田は、「沖縄の米軍基地を『本土』に引き取る」運動を、次のように報告する。


Ⅰ.それぞれの運動の思い


樫田は、それぞれの地域での運動への思いを次のように伝える。


(1)「引き取る・東京」の坂口ゆう紀さん:10年、聴き取り調査で辺野古を訪れるなど、基地への関心があった。だが’16年3月、沖縄で出会った70代の地元女性から言われた「学生のときに本土から基地が移ってきた。悔しかった。元の場所に戻してほしい」との言葉が心に刺さる。これを機に坂口さんは、沖縄に米軍基地が集中するのは、日本各地の米軍基地が沖縄に移転した過去があったことを知る。
(2)「引き取る・大阪」の松本亜季さん:大学時代の’04年、辺野古での座り込み抗議運動に2か月間参加し、’05年には、辺野古での基地建設の白紙撤回を訴える市民団体『辺野古に基地を絶対つくらせない大阪行動』(以下、大阪行動)を設立、JR大阪駅前で毎週末10年間も街宣行動を展開した。だが、あるときから「この運動でいいのか」との思いにとらわれる。「10年の街宣で沖縄を理解する府民は増えた。でも多くは“沖縄は大変だね”との他人事の認識で、市民がどれだけ反基地を訴えても、辺野古の状況は悪化する一方だったからです」。基地撤去を訴えても、自分たちが「押しつけている」との社会的立場に目をつぶっているのは差別だ。そう思った松本さんは、「差別者」として沖縄に基地を押しつける「本土」こそ負担を引き受けるべきで、他人事から自分事として基地問題の世論を高めたいと考えた。そして’14年夏、大阪行動の会議で「米軍基地を大阪に引き取る運動をやりたい」と明言する。
(3)「引き取る会福岡」里村和歌子さん:里村さんは’10年、山口県に在住時、広島修道大学大学院で野村浩也教授のゼミを受講。野村教授は著書でもゼミでも、「基地を押しつける“本土”の植民地主義」を説き、「沖縄米軍基地の県外移設」を訴える。ゼミを通して、里村さんも自身の「差別者」としての社会的立場を認識した。その後、里村さんは福岡で暮らすが、『沖縄を語る会』(大山夏子氏主宰)という2か月に1度の勉強会で沖縄問題を学ぶ。そこで’15年7月に講演をしたのが東京大学大学院の高橋哲哉教授だった。
高橋教授はその前月、引き取りを訴える『沖縄の米軍基地「県外移設」を考える』(集英社新書)を上梓していたが、講演で「引き取る・大阪」の活動を紹介すると、里村さんは即座に決めた。勉強会の終わりに「引き取り運動を始めます。集まる人はいませんか?」と発言したのだ。
(4)「引き取る・東京」の佐々木史世さん:数年前に「引き取り」に関心を持った。SNSで見かけた沖縄県民による投稿《基地、おまえのとこへもっていけ》や、前述・高橋教授の著書との出会いで、漠然と「東京でも始められないかな」と思っていた。すると’16年3月、都内で開催された引き取りをテーマにしたシンポジウムに登壇した高橋教授と知り合ったことで、同じ意思をもつ人脈ができ、学習会を始めることができたのだ。佐々木さんは「“基地はどこにもいらない”との主張はそのとおりですが、それだけを通そうとするのは、沖縄の人たちにはきついと思う」と話す。例えば’09年の民主党政権で、当時の鳩山由紀夫首相は普天間飛行場の移設を「最低でも県外」と公言、多くの沖縄県民が期待した。結局、それは立ち消えになるが、このとき、基地絶対反対運動のなかには「立ち消えてよかった」との声もあった。「移設」は「基地はどこにもいらない」の真逆になるからだ。
 この姿勢は、沖縄県民には確かにきつい。


Ⅱ.この運動へ出される疑問と回答


 樫田は、この運動には常に2つの疑問が寄せられるとする。
 その疑問は、次のものである。
第一に、「米兵犯罪に責任を取るのか」ということ。特に女性への性的被害は議論を避けて通れない。
 第二に、「どこに引き取るか」ということ。
この疑問に対して、「引き取る・東京」の佐々木史世さん達は次の回答を用意しているとする。
第一については、「犯罪はもう沖縄で起きています。では、尋ねたい。それに対し、今まで何もしなかったのは誰? 日米安保という米軍基地駐留を認めているのは誰? と。これは市民団体だけではなく、全住民で考える問題です」。
 第二については、「それは私たちではなく、政治が決めること。私たちの目的は、それを政治課題にもっていくこと」。


 この引き取り運動は、「いかに地方や国の議員を動かすかも問われている。」、と樫田は説明する。


Ⅲ.新しい動き


「いかに地方や国の議員を動かすかも問われている。」に関しての引き取り運動の側のその手探りともいえる活動について、樫田は、次のように紹介する


 6月16日、引き取り5団体が『辺野古を止める! 全国基地引き取り緊急連絡会』を結成、東京で記者会見を開催した。会見にあたり、連絡会が進めていたのが、沖縄の米軍基地への認識を問うため、全国知事に送ったアンケートの集計だった。里村さんが原案を練り、『沖縄に応答する会@新潟』の福本圭介さんが分析、資料にまとめた。
 46都道府県知事の42知事が回答したが、福本さんは「脈はある」と思った。選択式の回答で「沖縄の米軍基地を縮小すべきだ」と回答したのは4知事にとどまったものの、記述式回答では、3分の1の知事が基地負担削減の必要性に、4分の1が日米地位協定の改定の必要性に言及したからだ。
「このような知事が一定数いることは、引き取る運動の可能性を覚える」(福本さん)。
 とはいえ、引き取りは一朝一夕ではできない。だが佐々木さんらは、「迷いはないです。10年単位で活動を続けます」との覚悟を見せている。沖縄に犠牲を強いる政府与党の姿勢に黙っていられないからだ。


 樫田は、引き取る運動の目的を、「今年5月、『引き取る・東京』は初のシンポジウムを開催した。その際、沖縄で長年、県外移設を訴えている知念ウシさんが一般席からこう発言した。『県外移設は“基地はどこにもいらない”運動には聞き入れてもらえません。でも、初めてその訴えを聞いてくれたのが、この“引き取る”運動です」。まさにこの声に応えたいと佐々木さんは語る。」、とまとめる。


 さて、この引き取り運動の背景にある基本的問題を、樫田は、次のように指摘する。


(1)1952年、在日米軍基地面積が沖縄に占める割合は約10%にすぎなかった。だが’57年、岐阜県、静岡県、神奈川県、静岡県、滋賀県、奈良県、大阪府の米軍海兵隊が沖縄に移駐し、’72年までには福岡県の空軍基地なども移駐、’76年には、山口県の第一海兵航空団が移駐。これには、沖縄県議会や県内政党が「犠牲を県民に押しつけるのか!」と一斉に反発した。移設理由のひとつに「本土」の反基地運動が反米運動へ転嫁していくのを日米両政府が懸念した、との研究報告もある。
 今、在日米軍基地面積が沖縄に占める割合は約70%。まぎれもなく政治が「押しつけてきた」結果だ。同時に、共同通信の『戦後70年世論調査』によると、日米安保の支持率は約9割。つまり米軍駐留を認めている。だが、その負担を自分の街では決して受け入れない。結果として、国民の多くも沖縄に基地を無自覚に押しつけているのだ。
(2)「引き取る会福岡」もシンポジウムや街宣などを行うが、運動を展開するうえでの厚い壁は「基地絶対反対」の運動だという。例えば、辺野古基地反対運動をしていたかつての仲間から「引き取るとは何事だ。基地をなくすのが目的なのに」と批判され、会を去った人もいるそうだ。ただし、基地絶対反対運動も引き取り運動も、将来的な「米軍基地撤去」の目標は同じだ。「引き取る・大阪」と「大阪行動」の両方で活動する人もいる。つまり、米軍基地撤去という目標実現には「引き取り」も選択肢のひとつなのに、それをただ批判するだけの基地絶対反対運動に里村さんは違和感を覚えるのだ。


 樫田の文章を受け取りながら、「沖縄に犠牲を強いる政府与党の姿勢に黙っていられないからだ。」との声に、きちんと押さえる必要があると感じている。
 例えば、新崎盛暉の指摘が重要になってくると捉え直している。
 新崎は、日本の戦後の出発を、「象徴天皇制、日本の非武装化、沖縄の(分離)軍事支配は、占領政策の上で、三位一体の関係になったのである。構造的沖縄差別の上に立つ対米従属的日米関係は、ここから始まる。一九四七年の、『沖縄を二五年ないし五〇年、米軍統治に委ねることに異存はない』といういわゆる天皇メッセージや、講和後も米軍の駐留を希望するという天皇のGHQへの積極的働きかけなどは、天皇がこの仕組みの中で自らに与えられた役割を果たしたものと言えるだろう。」と規定し、このことにより、「日本の非武装化は、日本国憲法にも明記され、それは平和憲法と呼ばれるようになったと説明する。 
 このことの理解のなかで、引き取り運動も進める必要があるのではないか。
 最後に、樫田を記事を受けて、確かに、次の気づきが、日本国民ひとりひとりにとって、重要になる。
 「沖縄でよかった」を克服するために。


Ⅰ.戦後一貫して、国民の多くが沖縄に基地を無自覚に押しつけていることに気づくこと  ができるか。
Ⅱ.国民ひとり一人が、差別者としての自覚を獲得することができるのか。
Ⅲ.米軍基地撤去という目標実現に「引き取り」も選択肢を含むことができるか。




# by asyagi-df-2014 | 2017-08-18 05:32 | 本等からのもの | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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